最近は自然災害やテロなどがニュースをにぎわせており、何が起きてもおかしくない世の中になりつつあります。
しかし、これも「学びの機会」ととらえ、いつサバイバルな生活を強いられても、慌てることなく対応できるよう心の準備をしておきませんか?
今回は、自衛隊仕込みのサバイバル対処法を紹介します。
サバイバル生活に活かせる自衛隊の知恵とは?
天気の予測から、ケガや病気の時の対処法、水中で遭難した場合の対策など、陸上自衛隊が活動の際に活かしているという知恵がいくつかあります。
自衛隊と言っても特別なツールを使うことなく、自然にあるものを利用するので誰でも活かせる知識ばかり。災害時のほか、アウトドアなどの際にも使えるので紹介していきます。
サバイバル生活での対処法①天気を予測したい時
空や自然の様子から天気の変化を予測することを「観天望気」といいます。例えば「夕焼けなら翌日は晴れ」「朝の虹は雨。夕の虹は晴れ」「わた雲が浮かんでいる時は晴れ」「星がキラキラ光る翌日は晴れ」など、聞いたことがありませんか?
これは単なる迷信ではなく、人の体験から生まれた生活の知恵。その他にも「空が急に晴れ、冷たい北風が吹くと良い天気が続く」や「多くの星が遠くに見えれば雨」などというのもあります。
また、動物や虫の動きから天気を予測することもできます。「ミミズが地上に這い出るのは雨の兆候」「クモの巣に光る露は晴れの兆し」などはよく知られていますが、「蚊ばしらが立てば雨」などは筆者の場合、初耳でした!
さらに、「樹木の葉先に露玉があれば晴れ」「東風は天候悪化の前兆」など、特別な道具がなくても、自然には天気の判断ができる材料がたくさんそろっていますね。
サバイバル生活での対処法②方位を確認したい時
自分が今どこにいるのか確認したい時には、まず方位を知ることが重要です。例えば、太陽や月は、「東から昇り西に沈む」ことは知っていますよね?このことから、太陽は正午に南の方角にあることがわかります。
一方、月は満ち欠けによって異なるので注意が必要。満月の時は18時に東にあり、0時には南天、6時に西へ沈みます。しかし、上弦の月では18時に南天、下弦の月は0時に東、6時に南中となります。また、夜であれば北極星が目印に。北極星の見える方角が北です。
さらに、木の切り株でも方位を知ることができるので覚えておきましょう。年輪の幅が広い方が南、枝の茂りが豊かな方も南の場合がほとんどです。また、木の幹や根元で苔の生えているほうが北、ということも簡単に推測できます。
サバイバル生活の対処法③重さや長さを測りたい時
小さなモノなら、とっさの時でも手ばかりで重さをはかることができます。100gの目安は、「タマゴ中2個」「レモン1個」。なんとなく想像できますね。
スプーンの計量も意外に簡単です。例えば、「小さじ4分の1」は、親指と人さし指でつまんだ量、「小さじ2分の1」は、親指と人さし指、中指の3本でつまんだ量、「大さじ1杯」は親指、人さし指、中指で握った程度の量となります。
また、硬貨の直径を覚えておくと便利です。1円硬貨は2cm、10円硬貨は2.3cm、50円硬貨は2.1cm、100円硬貨は2.2cm、500円硬貨は2.6cm。ちなみに1円硬貨の重さはちょうど1gです。
道具を使わずに大きめのモノの長さを測りたい場合に備えて、自分の身体のサイズを測っておくと便利です。身長は知っていると思いますが、「肩から指先までの長さ」「肘から指先までの長さ」「手首から指先までの長さ」「両腕を伸ばして指先から指先まで」「広げた手の親指から小指まで」などをチェックしておくと、いざという時に役に立つはず。
サバイバル生活の対処法④火を起こしたい時
火をおこす場所は、風下に燃えやすいものがない所を選ぶこと。立ち木の下は避け、火をおこしたい場所の周辺は草や落ち葉などがないよう掃除をしておきましょう。
マッチやライターない場合は、身の回りにあるものを使って火を起こさなければなりません。例えば、虫めがねや老眼鏡、双眼鏡のレンズなどを使い集光による火起こし、または、枯木や石をこすり合わせ、摩擦によって火を起こす方法などがあります。
サバイバル生活での対処法⑤水中でトラブルにあった時
まず、水難を防ぐために心がけておきたいことを挙げていきましょう。
・水に入る前には準備運動をしっかり行うこと
・体調の悪い時、食事の直後や空腹時などは急に水の中に飛び込まないこと
・水に入る時は足から入り、体を徐々に水に慣らしながら入ること
万が一、水中で溺れるなどトラブルにあった時は「くらげ浮き」の方法を思い浮かべてください。あごを引きながら、やや膝を曲げ、腕をたらしてくらげのようなポーズをとるのです。そのままの形を保つと自然と身体が浮いてきます。
また、潮流に流された時は流れに逆らわないこと。流れに乗りながら、徐々に横に泳ぎ抜けて陸地に近づくことがポイントです。潮流を抜けきれない場合は無理をせず、体力を温存し救助を求めましょう。
サバイバル生活での対処法⑥虫や蛇にかまれた時
野外で虫刺されを予防するには、できるだけ皮膚の露出が少ない衣服を着ること。防虫スプレーや防虫軟膏などを塗っておくのも効果的でしょう。万が一毒虫に遭遇したら、興奮させないようにすれば攻撃を未然に防ぐことができます。
また、ハチに刺された場合は、皮膚に残っている毒針を取り除き、傷口から毒を吸い出します。そして患部を石鹸水で十分すすぎ流すこと。刺された部分をかいたり、水ぶくれを破いてはいけません。
毒ヘビにかまれたら、毒が全身に回らないようにすることが先決です。傷口より心臓に近い部位を布やバンドで巻いてください。そして、傷口から毒を強く吸って吐き出します。この後、よくうがいをすること。その後は、できるだけ早く血清療法を受けるようにしましょう。
サバイバル生活の対処法⑦応急手当が必要な時
暑さの厳しい季節など、熱射病になってしまった時の対処方です。まず、日陰の涼しい場所に静かに寝かせることが大事です。頭は高くして、あお向けに。衣服や靴などを脱ぎ、水をかけるなどして全身を冷やします。顔色が蒼白な時は頭を下げること。冷たい塩水(0.1%程度の食塩水)を飲むと良いでしょう。
ケガをした場合は、手当の前に水か消毒液で手を洗ってから処置を行いましょう。汚れた手で傷に触れないように。傷口に汚れがある場合は、水で洗い流してから手当てをします。野外では特に傷口を保護し、破傷風菌による感染を防止する必要があります。救急包帯や救急ばんそうこうを使用してください。
軽い小さなやけどは、15分間程度、水で冷やして包帯やガーゼで包みます。ワセリン油類やホウ酸軟膏を塗ること。水ぶくれをつぶしたり、汚れた手で触ってはいけません。また、やけど部分に衣服の一部などが付着していても、無理に取らなくても大丈夫です。
サバイバル生活の対処法⑧ケガ人や病人を運びたい時
最後は、ケガ人や病人を安全な所まで運ばなければいけない必要が出た時の対処方法です。
患者の呼吸や脈拍、意識などが正常で外傷のない場合は、あお向けで運ぶことができます。
しかし、おう吐のある場合はうつ伏せにすること。ショック症状があったり、下肢に外傷や出血のある場合は、足を約15~20度ほど高く頭を低くし、楽な姿勢にさせます。ただし、頭や胸を負傷している場合は、頭を高くすること。おう吐や、そのおそれがある場合は顔を横に向けて寝かせ運搬します。
まとめ
以上、サバイバル時に役に立つ対処方法を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
緊急時だけでなく、普段の生活にも使える知識ばかりでしたね。万が一のためにも覚えておきましょう!それから、身体の各部分の計測を忘れずに!