福井県は日本海に面し、リアス式海岸や雄大な海景が続く地域です。
「無人島」と聞くと遠く離れた場所を思い浮かべるかもしれませんが、ここ福井にも自然そのままの無人島や離島が点在しています。秘境感あふれる島々は冒険心を刺激し、島旅ファンの間で密かな人気を集めています。
この記事では、福井県にある「北陸のハワイ」やパワースポットといわれている島をはじめ、魅力的な無人島・離島を8か所ピックアップしました。アクセスや楽しみ方、注意点なども正確に解説します。
1.水島(みずしま)

福井県敦賀市の日本海沖に浮かぶ水島は、「北陸のハワイ」と呼ばれても名前負けしない美しいビーチを持った無人島です。その美しさは松尾芭蕉が俳句を詠んだほどと言われています。
水島に渡ることができるのは夏の1カ月半のみ。そのプレミア感がアイランド・ラバー(島をこよなく愛する人)を惹きつけます。
島の概要
島の周囲に広がるのは、沖縄に負けないエメラルドグリーンの海。周辺には大小10以上の海水浴場があり、水島は色ヶ浜海水浴場の1kmほど沖合に浮かんでいます。
島には観光設備はほとんどなく、簡易トイレしかありません。この「何にもない感じ」が水島の魅力です。つまり、水島に渡ったら海で遊ぶしかないのです。
楽しめるアクティビティ
透明度の高い海と人慣れしている魚が多いので、水島でできる最高のアクティビティはシュノーケリングです。島の周囲は遠浅が続いており、魚を追っていつまでも泳いでいられます。
水島では島の美しさを保つため、バーベキューセットの持ち込みは禁止。水島に持ち込めるグッズは、テントやパラソル、クーラーボックス、シュノーケルなどです。
それでもシーズン中は驚くほど多くの観光客が押し寄せます。
島までのアクセス
まずは北陸自動車道の敦賀インターチェンジを降りて約30~40分ほどの距離にある「色ヶ浜海水浴場」まで行きましょう。
近づくと「水島」の看板が立っているので迷うことはありません。車を駐車場に停め、船着場から船に乗って約10分ほどで水島に到着します。
2.雄島(おしま)

坂井市三国町の沖合にある雄島は、「神の島」とも呼ばれて古くから信仰の対象とされる無人島です。
船を使わずに朱色に彩られた橋を渡って上陸できる珍しい無人島で、無人島感とアクセスのしやすさが両立しています。
島の概要
雄島は福井県坂井市三国町安島に位置しており、豊かな自然と美しい日本海の景色が広がる地域です。雄島を含む一帯は、北陸地方を代表する自然公園である越前加賀海岸国定公園に指定されています。
また、雄島の島内には約2kmの散策路が整備されており、ゆっくり歩いても1時間かからずに島一周が可能。自然の森や岩場を散策しながら海景を楽しみましょう。
島の豊かな森を守る「大湊神社」といった歴史スポットもあり、神聖な雰囲気を味わいながら散策するのに最適です。
楽しめるアクティビティ
雄島の海岸線は岩場が多く、泳ぐのは危険です。また、「神の島」と言われる神聖な場所なので、バーベキューも避けたほうが無難。そのため、森散策など景色を楽しむのがおすすめです。
散策するなら、細長い四角いブロックを無数に並べたような「柱状節理」という岩場は見ごたえ十分。世界有数の柱状節理で国の天然記念物である「東尋坊」には多少劣るかもしれませんが、迫力があり見る価値はかなりあるでしょう。
なお、大湊神社はかつて織田信長によって焼き払われたと言われており、そのためなのかいくつか迷信も存在します。その中には「島を『反時計回り』で歩くとよくないことが起きる」というものもあるので、雄島散策は「時計回り」で歩くようにしましょう。
島までのアクセス
雄島に行くには、まずは北陸自動車道・金津インターチェンジから約25分ほどの安島漁港周辺の駐車場に到着してください。そこから歩いて長さ約200mほどの雄島橋を渡って雄島に上陸します。
公共交通利用の場合は、えちぜん鉄道やバスの利用が便利です。
3.烏辺島(うべじま)

烏辺島は、「子供に無人島を描かせたらこんな絵になる」といったような形をしています。青い海の上に、緑の球体の半分を浮かべたような外観は、どことなくユーモラスです。
烏辺島は自然豊かな無人島。海の透明度が高いことから、絶好のシュノーケリングスポットになっています。
島の概要
烏辺島は福井県三方上中郡若狭町にあり、若狭湾内に浮かぶ無人島です。周囲約2kmほどの小さな島なので、あっという間に一周できるでしょう。
陸から烏辺島を見ると、びっしりと緑に囲まれています。ジャングル感を堪能したい方は、烏辺島に上陸して探検してみましょう。
楽しめるアクティビティ
烏辺島ではシュノーケルや海水浴を楽しめます。海の透明度も高いので、シュノーケリングを楽しむなら最適の島です。
バーベキューは3〜4人の少人数で楽しむなら問題ありませんが、大人数で豪華な設備を持ち込んでのキャンプは他の観光客の方々に迷惑となってしまう可能性があるので避けたほうが良いでしょう。念の為、渡し船の船頭さんに許可を取るのがおすすめです。
子供だけで遊ばせるのは危険ですが、大人がいれば子供も十分楽しめます。
島までのアクセス
烏辺島に行くにはJR小浜線・三方駅から車で約3分の距離にある世久見海水浴場まで行き、船をチャーターする必要があります。
定期船はありませんが、海水浴場周辺の一部の民宿が船で烏辺島までの送迎をしてくれます。詳しくは地元の観光協会にお問い合わせください。その際は、予定の時間や人数を事前に相談しておくのがおすすめです。
4.越前松島(えちぜんまつしま)

「〇〇松島」という名称がつく観光地は全国各地に点在し、これは「日本三景のひとつである宮城県の松島と比べても遜色のない風景」という意味があります。
福井県坂井市の越前松島も景観が非常に美しく、松島を名乗る価値が十分あると言われています。「福井県で雄大な景色を堪能したいなら越前松島」と言って差し支えないでしょう。島には遊歩道や洞窟もあり、壮大な海景と凝った地形が特徴です。
島の概要
越前松島は、福井県が全国に誇る観光地、東尋坊(とうじんぼう)から北東に伸びる海岸線の沖合に浮かんだ島々の総称です。
越前松島の道中は「不思議地形の小径」と呼ばれており、日本海の荒波に削られた奇岩や洞窟が多く見られる散策コースとなっています。
島内は「柱状節理の博物館」と称されるほど多様な節理を観察でき、一帯には縄文・弥生・個人・奈良時代の遺物が発見された海食洞「観音洞」「聖穴」「弁慶の抜け穴」という「松島三洞穴」があります。これは県の埋蔵文化財に指定されるほど貴重な場所です。
楽しめるアクティビティ
越前松島は観光船や遊歩道から景観を楽しむのが主な楽しみ方で、散策や写真撮影に向いています。バーベキューやマリンスポーツを求める場合は別の島を選ぶ方が良いでしょう。
越前松島の風景をつくっている島々のいくつかは橋でつながっており、それぞれの島を散策できます。洞窟やおもしろい地形の場所も多いので、探検気分を味わえてワクワクできるはず。その分危険も多いので、上陸するときは安全面に十分配慮してください。
島までのアクセス
越前松島はJR北陸本線・芦原温泉駅から車で約20分ほどの場所にあります。周囲には駐車場がたくさんあり、利便性は高いといえます。JR芦原温泉駅から車やバスを利用すれば、周辺の駐車場から視界に入る島々を散策することも可能です。
また東尋坊から越前松島までの距離は約3.5kmほどとなっており、東尋坊から歩いて移動するのもおすすめ。
5.鷹島・稲島(たかしま・いねしま)

鷹島と稲島は福井県沿岸にある小規模な無人島群で、周囲の海を見渡す展望スポットとして知られています。これらの島はありのままの自然が残されており、海風や海景を楽しみながらの釣りなどが可能です。
また、鷹島は約730年前の「元寇」があった地とも言われており、歴史的価値のある場所でもあります。
島の概要
本土の高浜町から見て、東側には城山公園、西側には鷹島・稲島という2つの島が並んでいます。小さい島が稲島で、稲島よりも少し大きい島が鷹島です。
稲島と鷹島には橋が架かっており、簡単に2つの島を行き来できるのが特徴です。
また、後ほど紹介する「蒼島」と並んでナタオレノキやムサシアブミの自生北限地としても知られており、環境省の特定植物群落に指定されています。
楽しめるアクティビティ
稲島にも鷹島にも基本的に設備はありませんが、小規模のバーベキューなら楽しめます。近くには若狭高浜海釣り公園があるので、釣りを思いっきり楽しみましょう。このあたりの海ではキスがよく釣れるそうです。
また、船で回遊しながら海上から島を眺めるクルーズや、周辺の自然を撮影するアクティビティも人気です。
島までのアクセス
稲島と鷹島へのアクセスは、JR小浜線・若狭高浜駅から徒歩約12分。または、舞鶴若狭自動車道・大飯高浜インターチェンジから車で約10分走れば到着します。
稲島と鷹島の手前には有料駐車場があるので、車で向かう場合は駐車場を活用しましょう。
本土から渡る場合の定期船はなく、船をチャーターして訪れる必要があります。地元の港から出航し、海上から島々を巡る方法がおすすめです。
6.亀島(がめじま)

亀島は福井市松蔭町沖合に浮かぶ無人島で、その名の通り亀が寝そべったような形状が特徴です。
満潮時は海に阻まれて渡れませんが、干潮時になると海が割れて道が表れて徒歩で渡れます。こうした現象のある島は珍しく、とても神秘的です。
ちなみに、亀島は「かめしま」ではなく「がめじま」と読みます。
島の概要
亀島は、観音様を乗せてきた亀がその場に留まり、長い時代を経て島になってしまったという言い伝えがあります。カモメが多いので「鴎島」と呼ばれたり、雄島と同時に出現したとされて対になる島として「雌島」と呼ばれたりと別名が多い無人島です。
周囲は約2kmで、島内を散策できます。島内には松が自生しており、その中に亀島の神として頭に小さな男の像を載せた弁才天を祀る祠があります。そのため、「弁天島」と呼ばれることも。
楽しめるアクティビティ
亀島には小規模なバーベキューならできそうなポイントがいくつかありますが、島には亀島神社がある神聖な場所なので、やはりアルコールを飲むようなイベントは慎んだほうがいいでしょう。
島は緑豊かなので散策する方も多く、釣りを楽しむ方も見かけます。ありのままの自然を楽しむスタイルで亀島を満喫しましょう。
島までのアクセス
亀島までは福井市街地から車で約40分ほどと、アクセスは良好です。
ただ亀島の手前まで到着しても干潮時を外すと島に上陸できません。上陸できるタイミングについては事前に調べてから行くことをおすすめします。
また、周囲は観光地化されていないので車を停めるときは周辺の住民に迷惑をかけないよう、マナーを守りましょう。
7.蒼島(あおしま)

福井県小浜市加斗の小浜湾に浮かぶ蒼島は「まるごと宝物」といわれるほどの豊かな自然を有していて、一帯の草木は「蒼島暖地性植物群落」として国の天然記念物に指定されています。
冬でも濃い緑に覆われたうっ蒼とした暖帯林があることから、「蒼島」と呼ばれるようになりました。
島の概要
蒼島は小浜市の加斗海岸から北東約1km先に浮かぶ小さな無人島で、国の天然記念物に指定される植物群落が見られる場所です。
島内には、タブノキ・スダジイ・ヤブツバキ・ナタオレノキ・ヒメユズリハ・ムサシアブミ・カラタチバナなどの貴重な植物が多数自生しています。
昭和26年には、「蒼島暖地性植物群落」として国の天然記念物にも指定されています。
楽しめるアクティビティ
蒼島は小さく、弁財天をまつる蒼島明神がある神聖な場所のため、バーベキュー等で騒がないよう注意しましょう。
植物観察を楽しんだり、黄昏れるために渡る島ですね。島の東側には洞穴があるので、安全面には十分気をつけつつ探検してみるのもワクワクします。
島までのアクセス
島までの定期船はありません。
近くに京福マリン加斗マリーナという港があるので、ここで船をチャーターすることになります。上陸には地元の観光協会に事前に問い合わせることをおすすめします。
京福マリン加斗マリーナはJR小浜線・加斗駅から約1.5kmの場所にあります。
8. 御神島(おんがみじま)
福井県若狭町の景勝地の三方五湖から常神半島を「若狭湾」のほうに車を走らせると、岬の先端付近に着きます。その沖合約500m先に浮かぶ無人島が、「御神島」です。
御神島は福井県最大の島であり、島の西側には急崖・海触洞も点在するおもしろい島です。釣り船以外での渡島には地元漁協の許可が必要で、海水浴シーズン中は地元の民宿に宿泊して依頼すると船で送迎してもらえます。
島の概要
全島がスダジイなどの常緑広葉樹林に覆われていて、天然記念物に指定されているような貴重な植物がたくさん自生している島です。また、集団で “合唱” するという珍しいヒメハルゼミの県内唯一の生息地となっており、運良く遭遇できたらそっと見守りましょう。
楽しめるアクティビティ
キャンプなどは原則禁止されているので、島内で遊べる手段はあまりありません。
時期によりますが、常神から御神島を一周するグラスボートが出ているので、島の周りをボートで回りながら風景を楽しむことができます。
グラスボートは船底がガラス張りになっているので、海中の魚やサンゴ礁などの様子を観察して楽しみましょう。
島までのアクセス
福井県若狭町の三方五湖周辺や常神半島周辺のいくつかの民宿は、御神島まで船で渡らせてくれます。地元の観光協会にチャーター船サービスがある民宿を紹介してもらってください。
まとめ:福井県で体験する島旅の魅力
福井県には、上陸して遊べる無人島から、海上から眺めるだけの秘境島まで、さまざまな島があります。
どの島も共通しているのは、手つかずの自然が残ること。海の青さや風の音、野鳥や植物の息づかいなど、都会では味わえない体験が待っています。
実際に訪れる際は、安全第一・環境への配慮を忘れずに。島によってはアクセス手段が限られていたり、上陸に制限があったりします。効果的な計画を立てて、あなたの好奇心を満たす福井の島旅を叶えてください。



