無人島で生活するためには、食糧確保が大切です。海から魚を調達するだけでは栄養が偏ってしまうので、植物からビタミンやミネラルを摂取する必要があります。今回は瀬戸内海の無人島である黒島に自生する食べれられる植物を紹介しようと思います。
ツルナ
ハマミズナ科の多年草です。多肉で海岸の砂地に生え、食用にもされます。別名ハマヂシャ(浜萵苣)。主として太平洋沿岸(アジア、オセアニア、南米)の熱帯から温帯の海岸に広く分布し、日本では北海道南部以南に自生します。
葉は癖がないため、古くから各地で食用にされてきたようです。
沖縄県では「ハマホウレンソウ」や「ハマナ」の名で親しまれており、鹿児島県の奄美群島の一部でも食用にされています。日本では、ゆでておひたしにすることが多いほか、炒め物や味噌汁などの汁物にもされるようです。
実際に食べてみると、、、とても美味しかったです。生で食べたり、炒めたり、癖がなく調理しやすいです。また、無人島では緑色の食材が少ないので食卓(机はないのですが…)を彩るのにもってこいです。
ハマダイコン
アブラナ科の多年草です。ダイコンの名がついていますが、根はあまり肥厚しません。茎は高さ約60センチメートル、まばらに分枝し、粗毛があります。4~6月、淡紅紫色花を開く。花弁は紫色の脈があり、基部に長いつめがあります。角果は数珠状にくびれて2~5個の種子をつけ、熟しても裂開しません。ダイコンの野生化したもので、海岸の砂地に生え、日本および朝鮮半島南部に分布します。
実際に食べてみると、、、辛みが強いような、土臭いような感じで好んで食べたくなる味ではありませんでした。どうすればおいしく食べられるか研究の余地ありです。
ヨモギ
キク科の多年草です。 別名モチグサ(餅草)、エモギ、サシモグサ、サセモグサ、サセモ、タレハグサ、モグサ、ヤキクサ、ヤイグサなど。特有の香りがあり、春につんだ新芽を茹で、おひたしや汁物の具、また草餅にして食べます。また、天ぷらにして食べることもできます。また、若い芽や、育ち始めた若い株は、干しておいたのちに煎じて飲むと、健胃、腹痛、下痢、貧血、冷え性などに効果があるといわれています。また、もう少し育ったものは、これも干しておき、風呂に入れると腰痛を始め、痔に効果があるようです。古くから薬用としても用いられています。
実際食べてみると、、、夏だったため苦み、えぐみがありましたが食べられなくはないといった感じでしょうか。ヨモギ単体で食べることはなく味付けという感じでした。今回は小麦にヨモギを混ぜてヨモギパンにしたり、切り刻んでオイルと混ぜジェノベーゼ風ソースにしました。
葛
マメ科クズ属のつる性の多年草です。日本では、根を用いて食材の葛粉や漢方薬が作られ、万葉の昔から秋の七草の一つに数えられています。葛の花は細長くて先に向かってとがった形の花です。根本のほうから徐々に開花していくのが葛の花の開き方の特徴です。食用にするときは花が落ちないように注意して扱います。
葛の花の食べ方はサッと茹でて和えものにするほか、天ぷらが一般的です。またその他にも、漬物にしたり、塩ゆでして葛の花ご飯を作ったりといろいろな方法で食べられてきました。
花だけでなく蕾も食べられ、紫の色も鮮やかで食卓に季節を運んでくれます。葛の花の天ぷらは味わいを活かすために塩だけでいただくのがおすすめです。花自体は味が淡白で、葛の花の香りを食べる料理です。
漢方では乾燥させて葛花(かっか)と呼ばれる生薬として用いられます。葛花は二日酔いの予防に使用されます。
葛の葉は食べる際は、若葉が芽吹く春先がおすすめで、お浸しなどにして食べることが多いです。
また、葛の葉は止血解毒効果があるとして、昔から薬に使われてきました。生葉を絞った汁は切り傷につけると止血に効果的です。また胃腸の調子が悪い時に飲むと胃の炎症を抑えるといわれています。さらに葛の葉は葉緑素も豊富で、ビタミンミネラルのバランスがいいのも特徴です。
実際食べてみると、、、こちらも夏だったため新芽があまりなく、硬かったです。葛の葉を煎りお茶にすると香ばしく美味しかったです。ビタミン・ミネラルが豊富で無人島や道端どこにでもある葉なので葛の葉茶はおすすめです。
ヤマモモ
ヤマモモ科ヤマモモ属の常緑樹です。果実は甘酸っぱく、生で食べられます。野生種以外に、大粒で酸味の強い瑞光や大玉で酸味の弱い森口や秀光(秀峰、平井1号)などの栽培品種があり、農作物として栽培されているようです。
実際食べてみると、、、甘酸っぱくとても美味しかったです。無人島ではなかなか「甘味」を含む食材が確保できないので、貴重でした。ただ、ヤマモモの木は幹や枝が少し細目で高木なので採取が困難でした。
最後に
無人島でも美味しく食べられる植物がたくさんあります。ただ、時期にもよりますし、毒のある食物もあるので気を付けましょう。Universal Edibility Testという国際基準の可食判断方法についてのこちらの記事「サバイバル集【野草を食べるときに知っておきたいこと】」も参考にしてみてください。食用植物に詳しくなって無人島ライフを楽しみましょう♪