【きっかけ】
2025年8/9(土)~11(月・祝)に、無人島プロジェクトに参加した。
きっかけは、知り合いから「よかったよ!最高の経験になるよ!」と勧められたこと。ただし、最終的な参加動機は圧倒的な「非日常感」を感じたかったから。
自分は経験中毒者という自覚があり、世の中にあるものは全部経験したいと常々思っている。そんな中で、子どもの頃に憧れた無人島でサバイバルをするという、テレビや小説の中だけと思っていたことに自分が飛び込めるということにワクワクした。
【準備】
普段から旅行が趣味の私、事前準備は慣れているつもりだ。
普通の旅行なら、必要なものをピックアップして、あとはあれば便利なものを持っていく、という感じだが、今回はちょっと違った。事前に運営から「最低限必要なもの(着替え、水着、帽子など)」や、「あると便利なもの」の案内はあった。
あとは持っていくものは自己判断。キャンプとは違う。便利なものを持っていけばいいわけではない。非日常感、サバイバル感を感じるためには、引き算の準備が必要だと感じた。
迷ったら置いていくという判断基準で、「もし何か足りなくて困ったとしたら、そのときはその状況を楽しもう」という気持ちで準備した。
【はじまり】
当日、JR姫路駅に集合。すでに何人かの参加者とスタッフが集まっていた。
じょじょに揃っていくメンバー。聞けば、開催場所が関西にも関わらず関東からの参加者が以外と多いことに驚いた。遠い場所へ、特別な体験を楽しみに来る素敵な人たち。29人全員が揃い、タクシーと船を乗り継いで、最初は有人島で待機。海に飛び込んだりワイワイ談笑したりして、どんどんテンションが上がっていく。そしてついに無人島・黒島へ。
島に上陸したビーチ。ビーチというより砂浜と森。見事に何にもない。船から物資を降ろして見送った後、いよいよ無人島生活がスタート!歓迎するかのようにアブが飛んできたりして、ギャー、ワーという声が(笑)
【サバイバル生活開始】

実は私たちが過ごした3日間は、ずっと大雨予報。でも、サバイバル感があって逆にそれが良かった。最初に自己紹介から。それぞれ色んなバックグラウンドがある人たち。普段の生活をしていれば会うことはなかっただろう人たちとの出会いは貴重でワクワクした。
テント設営で寝床を確保したあとは5人ごとにチーム編成して、チーム対抗で食材狩り。魚釣り、海岸探索、シュノーケリングなど各々が好きな方法で食材探し。もし何も獲れないと夕食に影響する、とあって必死になる。
私はシュノーケルを使って魚を探した。この時間、とにかく無心になれた。日常生活では味わえない、まるで子どもに戻ったかのような感覚。普段、わずらわしいことや不安などとっぱらって、とにかく頭を空っぽで夢中になった。
生きるための“食材を探す”という動物としての本能的行動がここでできたことが、自分にとってはとても貴重な感覚だった。
【夕食】

そして夕食時間、食事は命を繋ぐ大事な時間。
焚き木用の枯れ木を探すも、雨に濡れていて使える木が少ない!乾いた木を見極めて集めるのも一苦労。お米の支給はあるものの、その他の料理は即興で創作調理。我がチームはフライパンでコメを炊いてパエリア風に。いい感じに炊けたところで獲れた海の幸を投入。
焼けた?ダシ出た?暗がりでの調理は当然、目分量で味付け。本能に近い環境にいると、いい意味で大雑把になっていくのが分かる。そういえばみんな、もはやアブへの反応が慣れてきている。いよいよ食事開始!
正直、整った環境でする調理とは違うため、完璧な味付け、調理とは言えない。にもかかわらず、なんというか食材自体の味や栄養素が身体に染みる感覚。ある意味、極限のような状況で、自分たちで獲った食材を食べるという得も言われぬ充足感があった。
夕食後は、歓談タイム。
お酒を飲みながら、それぞれの普段の生活や、かんばってること、夢など語りあった。こうした時間がお互いの人生にいい影響をしあって貴重だと思う。年齢や住んでるところなど関係なく、語り合うことで世界が広がっていく感覚があった。
【就寝】
夜も更けて、寝る人、飲む人、語りあう人などそれぞれ自由に。
テント内は砂や蚊などが入ってきて、快適とはいえないけれど、これが無人島生活の醍醐味だと思う。むしろ屋根がある場所で寝れることがありがたい。疲れもあって、私は泥のように眠る、、、
【翌朝~昼食】
夜が明け、朝風呂がわりに海に入る人、ラジオ体操をする人、まだ爆睡してる人など、これもまた自由な朝。寝ぼけまなこで昨晩の食材の残りで朝食を食べて、少しゆっくりしていると、もう昼食の準備時間。
キリを使って火起こしにチャレンジ。無人島生活といえば、こういった火起こしのイメージがあって、みんな一生懸命に取り組む!が、雨の影響もあって、これがまあなかなか火が点かない。この日は、お手製のピザ窯でピザを焼く。段ボール箱で窯を作り、アルミホイルを敷いて窯になる。こんな感じでピザ窯ができるのかと驚きだった。
生地をこねて具を乗せて焼く。外がカリカリに焼けたピザはとても旨い!ここでイタリアンが食べれられるとは、、、
【ドラム缶風呂】
屋外生活でイメージするもう一つがドラム缶風呂。もちろんチャレンジした。
しかし、水は海水しかなく、沸かすための火起こしから苦戦。人が入れるほどのお湯を沸かすとなると、それなりの火力と時間がかかる。自宅ならボタン一つなのに、沸かすまでの苦労・不便さも普段のありがたみを実感できる。
ようやく適温となったお湯に浸かる。沁みる。海で泳いだり、雨に濡れたりした身体にじ~んと温かいお湯が疲れをとってくれる。正直、お湯を沸かすまでかなり大変だけど、これはぜひやって欲しい体験のひとつ。

【探検】
そして、島探検へ。水着、ウォーターシューズ、手袋、シュノーケル、必要な人はライフジャケットを装着して、海岸に沿って島を半周する。
岩場を越えて、海に潜りながら進み、まさに探検活動だった。岩場では転ばないように、海中ではトゲなどを踏んづけないように、、、全神経を使いながら野生に還っていく感覚。
最終地点では、崖っぷちから海に飛び込む!順番に一人ずつ飛び込むが、実は高いところが苦手な自分は、怖くなる前に早めに飛び込むことにした。しかしその爽快感はたまらない。普段、崖から飛び込むなんて経験はそうそうないだけに、アドレナリンがドクドク出た。
【2日目夕食】
スタッフからのサプライズ食材もあり、2日目の夜の食材は豪華。しかし、調理はやはりサバイバル。大雨に降られる中、火を起こして、魚を捌いて、食材を切って。
これがもし雨の中のキャンプだったら諦めて缶詰でも空けているところだが、サバイバル生活はそうはいかない。調理しないと食事にありつけない。むしろ、もし遭難したらこんな感じかなと思うとワクワクした。
しっかり食べて体力を回復したら、キャンプファイヤーへ。実は奇跡的にこの時間だけ雨がやんだ。その間にキャンプファイヤーと猛獣狩りゲームなど交流。その後、ひとりひとりの感想を聞いて、最後の夜を愉しむ。
名残惜しくて夜中までしゃべったり、徹夜したひともいるかも。

【最終日】
朝食後、帰路へ。
帰る前にはビーチクリーニング。お世話になった島へ、恩返しということで清掃活動。荷物をまとめて、帰り支度は準備万端。そこで終わらないのがムジプロ流?最後まで海に飛び込む、沈める、はしゃいで、ずぶ濡れのまま帰路へ。
有人島で、お風呂と昼食をいただき、本当の帰路へ。姫路港に到着時は、3日間で最大の大雨が。最後まで雨に歓迎された3日間だった。体験を通して自然の厳しさ、美しさ、不自由さ、ありがたさ、人の温かさ、世界の広がりを感じられる3日間だった。