「お遍路さん」ブームで足を運ぶ人々が増えてきているという四国の徳島。そんな徳島には、瀬戸内の島々とはまた違った個性を持つ島があるのを知っていますか?
また、雄大な太平洋の海中に生息する珊瑚や熱帯魚など、徳島が誇る宝物には世界級のものもあり見ごたえも十分。
今回は、そんな徳島の島々にスポットを当て、その魅力や見どころを紹介していきましょう。
徳島の離島・無人島1:出羽島
出羽島の概要
徳島県南東の海部郡牟岐町にある、広さ0.4平方キロメートルの小さな有人島、出羽島(でばじま)。島への交通手段は連絡船だけで車が1台も走っていない希少な島です。
島の北部に位置する入江が漁港となっており、その周辺にある漁村集落(約3.7ヘクタール)が、「牟岐町出羽島伝統的建造物群保存地区」となっており、国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されています。
そこには、徳島南部から高知県近辺の漁村で見られた「ミセ造り」(開ければ縁台、閉めれば雨戸になる)と呼ばれる建築様式の建物が見られるなど、昭和のレトロな風景がたたずんでいます。
また、黒潮の影響で年平均17℃という温暖な気候から、ハイビスカスやハマユウなどの亜熱帯植物も多く自生しており南国気分もたっぷり味わえる島です。
出羽島で楽しめるアクティビティ
出羽島内には島を1周できるハイキングコースが整備されており、気軽に島の散策を楽しむことができます。コースの途中には国指定天然記念物で、「生きた化石」と呼ばれる1億4千万年前に繁殖した植物、「シラタマモ」という藻が自生する大池もあります。
4月から3ヶ月くらいの間が見頃で、日本でシラタマモが見られるのはここだけ。世界でもリビア砂漠の塩水湖、インド洋上のモーリシャス島、そしてニューカレドニア島でしか見られないという貴重な古代植物は見ておきたいものです。
また、出羽島は室戸阿南海岸国定公園のほぼ中央に位置し、太平洋荒波と四国山地の山々とが融合し合った素晴らしい大自然が広がっています。シュノーケリングやシーカヤック、フィッシングなどのマリン・アクティビティも是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
出羽島までのアクセス
JR牟岐線・牟岐駅から徒歩8分で牟岐港に到着。そこから出羽島まで連絡船で15分。
徳島の離島・無人島2:善入寺島
善入寺島の概要
善入寺島(ぜんにゅうじとう)は、徳島県阿波市・吉野川市にある、日本最大の川の中にある無人島。吉野川河口から約30キロ付近にあり、広さは約500ヘクタールです。
善入寺島には広大な畑や季節の花々が彩りを添えており、ひまわり畑をはじめとしたロケの名所としても知られています。
善入寺島で楽しめるアクティビティ
善入寺島には、「四国遍路」の10番札所から11番札所へと向かう遍路道が通っているため、お遍路さんの道をハイキングがてら歩いてみたり、サイクリングすることができます。ただし、昔から洪水や水害が多い、日本三大暴れ川のひとつとされる四国の大河「吉野川」を渡るので注意が必要です。
善入寺島への出入りには「沈下橋」、または「潜水橋」と呼ばれる特別な橋を渡ります。水量は少ないものの、常に水が流れている場所を渡るために低い位置につくられている橋で、増水時には川の中に沈んでしまうこともあります。
善入寺島までのアクセス
JR徳島線阿波川島駅を下車、徒歩約10分。
徳島の離島・無人島3:野々島
野々島の概要
四国の東、室戸・阿南海岸国定公園区域内に位置する無人島、野々島(ののしま)は、土佐守紀貫之の「土佐日記」で「松風自ら琴ににたり」と絶賛されたこともある島。この豊かな島を未来へと受け継いでいくために、「21世紀青少年の島」としてYMCAに献島されました。
野々島で楽しめるアクティビティ
野々島はYMCA阿南国際海洋センターが所有しており、1968年に日本初の海洋型キャンプ場として開設され、海に親しむ海洋プログラムを提供しています。カヤックやカヌー、ボードセーリングの指導などをしてくれるため、子どもから大人まで気軽にマリンスポーツが楽しめます。
野々島までのアクセス
JR牟岐線・阿南駅下車。徳島バス椿泊行き「椿泊」下車、徒歩30分。
徳島の離島・無人島4:竹ヶ島
竹ヶ島の概要
徳島県の最南端、海陽町の沖合い100メートルに浮かぶ竹ヶ島(たけがしま)は、室戸阿南海岸国定公園内にある小さな島です。北西部一帯には環境庁指定の竹ヶ島海中公園があるほか、マグロ漁の基地としても使用されており、イセエビやアワビ、トコブシなどもこの島の特産となっています。
竹ヶ島で楽しめるアクティビティ
竹ヶ島周辺の海には、「南海の宝石」と称される様々なサンゴや彩り豊かな熱帯魚が生息しており、ダイビングやシュノーケリング、シーカヤックなどを楽しむことができます。
また、竹ヶ島港から出航する海中観光船「ブルーマリン」に乗って楽しむ海中散策も人気。船底の窓から、ソラスズメダイやクマノミなどの色鮮やかな魚が泳いでいる海中をのぞくことができます。
さらに、島の周囲は岩場が多く、磯釣りなど絶好のポイントがたくさんあるほか、近くにはサーフィンの大会で有名な宍喰海岸があり、サーファーのメッカとしても知られています。
竹ヶ島までのアクセス
阿佐海岸鉄道「宍喰駅」下車、徳島バス甲浦行き10分「竹ヶ島」下車。竹ヶ島は陸とつながる連絡橋があるため徒歩でアクセス可能です。
徳島の離島・無人島5:牟岐大島
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牟岐大島の概要
徳島県南部の阿南海岸から8キロ沖に浮かぶ、大島という無人島。徳島県海部郡牟岐町にあるため、牟岐大島(むぎおおしま)と呼ばれることが多い島です。
島の周囲は8キロ程ですが、高さは約200メートルあり急勾配な地形が特徴。島の周囲は切り立っており、西部にある船着場以外から上陸することは困難です。このような厳しい島の地形から、人を寄せ付けることなく今日まで多くの自然を残す結果となっています。
牟岐大島で楽しめるアクティビティ
透明度が非常に高く絶好のダイビングポイントがあり、色鮮やかな熱帯魚や珊瑚を見ることができます。なかでも、牟岐大島の入り江に生息するハマサンゴは国内最大級で、世界でも最長寿といわれ、「千年サンゴ」として多くのダイバーを魅了する南阿波の海の宝とされています。
水深23メートルの海底に根を張るハマサンゴの高さは約9メートル、外周は約30メートルで、世界最大級の大きさを誇ります。さらにその形状も珍しいツリー状で、別名「水中クリスマスツリー」と呼ばれるのもうなずけるでしょう。
牟岐大島では、ダイビングやシュノーケリングのほか、シーカヤックや岩場のトレッキング、フィッシング、無人島キャンプなども人気のアクティビティです。
牟岐大島までのアクセス
牟岐港から渡船をチャーターしましょう。
個性的な無人島がたくさんある徳島
以上、徳島の島々を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
国の重要伝統的建造物であったり、「生きた化石」と呼ばれる貴重な植物であったり、「南海の宝石」と称されるサンゴ、千年も生きている世界最大級のサンゴなど、徳島の海や島には驚きがいっぱい詰まっています。
大規模なリゾートホテルや人気の温泉地を超える魅力を持つ、そんな島々で自分の感性を磨くための時間を過ごしてみたいものですね。
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