三重県には、伊勢志摩エリアを中心に魅力的な離島・無人島が点在しています。リアス式海岸が生み出す複雑な地形と穏やかな海は、独自の自然環境と文化を育んできました。中には観光地として整備された島もあれば、ほとんど人の手が入っていない無人島も存在します。
特に注目したいのが、イルカと触れ合える体験ができることで知られる「イルカ島」です。自然とレジャーが融合した三重の島々は、無人島に興味がある人にとって絶好のフィールドといえるでしょう。
本記事では、初心者からアウトドア好きまで楽しめる7つの島を詳しく紹介します。
三重の離島・無人島1:七日島(なのかじま)

島の概要
三重県のリアス式海岸に囲まれた「七日島(なのかじま)」は、“七日では足りない”と言われるほど魅力あふれる小さな無人島です。入り江の奥にひっそりと佇む島は、外海の荒波から守られて年中穏やかな表情を見せてくれます。
周囲には透明度の高い青い海が広がり、島は生い茂る緑の原生林に囲まれているという自然がそのまま残されている絶好の環境。上陸すると鳥のさえずりと風の音だけが響いて、日常の喧騒を忘れさせてくれるでしょう。
かつて企業の研修施設として使われた名残の建物も残されていますが、現段階では家屋などの建物は使用できません。秘境のような雰囲気を味わいたい人にとって魅力的な場所といえるでしょう。
楽しめるアクティビティ
七日島では、シュノーケリングや釣りといった自然を活かしたアクティビティが中心となります。透明度の高い海では魚影も比較的濃く、生き物観察にも適しています。
また、岩場や干潟では小さな生物を探す楽しみもあり、潮の満ち引きによる変化を体感できます。観光施設がない分、自分自身で楽しみ方を見つけるスタイルが求められるでしょう。静かな環境でゆったりと過ごしたい人に向いています。
探検するだけでも面白いので、ぜひ島内を散策してみてください。ただし勾配が結構あって歩きづらいため、歩きやすい靴で探検するのがおすすめです。
島までのアクセス
七日島には定期航路がなく、チャーター船の利用が基本となります。志摩エリアの港から出発するケースが多く、事前予約が必要です。
アクセスとしては、名古屋駅から約2時間、大阪駅から約2時間30分となります。近畿日本鉄道(近鉄)志摩線「志摩磯部駅」からはタクシーで約13分で船着き場に到着です。
「無人島セレクト」を利用してサバイバル体験ができるので、七日島で無人島体験をしたい方はこちらから予約可能です。
三重の離島・無人島2:答志島(とうしじま)

島の概要
「答志島(とうしじま)」は、鳥羽市の沖合にある県内で最も大きい島です。面積は約7平方km、東西は約6km、南北は約1.5km。3つの集落に2,500人が住んでいます。離島の中でも人口が多いため、島内には小学校や中学校もあります。
島内では漁業や観光業が盛んで、それらを活かした地域ビジネスにも注力されているのも特徴。観光地としての派手さは控えめですが、リアルな島の暮らしを感じられる点に価値があります。
また、戸籍上は兄弟でない人同士が共同生活を行い、兄弟以上の付き合いを続けていく「寝屋子制度」という風習が残っており、市の無形民俗文化財に指定されています。
楽しめるアクティビティ
島には、関ヶ原の戦いに破れて自害した鳥羽城主・九鬼嘉隆の首塚や胴塚があり、そのような史跡や漁港での作業風景を見学するウォーキングツアーが楽しめます。
また、島の海女さんたちによる海女小屋体験・無人島での自然水族館など、島の特性を活かした体験ツアーもぜひ体験してみてください。海女小屋体験で海女さんの話を聞きながら炭火で焼いた魚介類を食べられる体験はかなり珍しいといえるでしょう。
島には大間の浜海水浴場、サンビーチ桃取といった海水浴場があり、夏になるとプライベートビーチのようなゆったりとした時間を過ごせます。
島までのアクセス
鳥羽マリンターミナルから島にある3つの集落へ船が出ています。答志集落へは高速船で約23分、定期船で約34分で到着できます。和具集落へは高速船で約15分、定期船で約22分となっています。
また、桃取集落へは高速船で約12分、定期船で約12分です。
三重の離島・無人島3:賢島(かしこじま)

島の概要
「賢島(かしこじま)」は志摩市の英虞湾に浮かぶ島です。周囲約7.3km、面積は約0.68平方km。
英虞湾にある島の中では最も大きく、島内には「志摩観光ホテル」といった宿泊施設やリゾート施設が整備されています。2016年には第42回先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)の開催地となったことでも知られています。「志摩マリンランド」も人気だったのですが、残念ながら2021年3月31日に閉園となりました。
島の周りには真珠筏や美しいリアス式海岸もあり、風光明媚な場所となっています。
楽しめるアクティビティ
島での楽しみ方としては、探索したり絶景を眺めたりするのがおすすめです。英虞湾のリアス海岸や真珠養殖の筏の風景は特に美しいので、訪れた際はぜひ観察してみてください。展望台からの景色もおすすめです。
また、英虞湾を遊覧できる「賢島エスパーニャクルーズ」も人気です。海賊船のような外観はとてもかっこよく、子供も大人も海賊になったような感覚で興奮できるでしょう。
島内にある「松井真珠店」では、真珠のアクセサリーが作れる体験もできます。自分だけの真珠アクセサリーを作って、帰ってからも余韻に浸れる素敵な思い出になるはずです。
島までのアクセス
島には鉄道で直接アクセス可能で、近鉄の駅が島内にあります。アクセスの良さは三重の離島の中でもトップクラスといえるでしょう。
電車の場合、「大阪難波」・「京都」・「名古屋駅」から近鉄特急に乗り、約2時間10分〜45分で到着できます。
三重の離島・無人島4:菅島(すがしま)

島の概要
「菅島(すがしま)」は、鳥羽港から東に約3kmの位置にある島です。東西に長細い島で、面積は約4.52平方km、人口は約700人となっています。人口・面積ともに有人離島の中で答志島についで県内第2位を誇ります。
菅島のほとんどは標高約236.6mの大山・サカデン山・ボシ山といった200m級の山に覆われ、島内の北東にある菅島漁港周辺に人口が集まっています。島の産業は漁業と観光業で、毎年7月には「しろんご祭り」が開催され、海女さんがアワビ取りの競争を行います。
また、菅島は日本でも古い灯台のひとつ「菅島灯台」が残る場所として知られています。島全体は自然に囲まれており、観光地化されすぎていない点が魅力。落ち着いた雰囲気の中で、歴史と自然の両方を感じられます。
楽しめるアクティビティ
菅島でのアクティビティでは、菅島灯台やしろんご浜、白髭神社をめぐるウォーキングコースを楽しめます。海辺の散策もおすすめ。
また、標高の高い大山に登れば伊勢湾を一望でき、冬になると赤く色づいた「紅つげ」を見ることが可能。紅つげとは、大山山頂付近に群生する「ツゲ」の変種で、冬の寒さに耐える関係で葉が赤褐色に紅葉するという貴重な植物です。1月〜2月頃が見頃で、3月には緑色に戻る珍しい特徴を持ち、市の天然記念物に指定されています。
島の砂浜ではキャンプやバーベキューも楽しめ、海岸は釣りスポットとしても知られています。
島までのアクセス
鳥羽マリンターミナルから高速船で約13分、定期船で約18分で到着です。
定期船が出ているので、アクセスとしては比較的しやすい島となっています。
三重の離島・無人島5:渡鹿野島(わたかのじま)

島の概要
「渡鹿野島(わたかのじま)」は志摩市の的矢湾にある島で、周囲約6km、面積は約0.7平方km、人口は約270人です。
的矢湾(まとやわん)の奥に位置するため、島周辺の波は穏やかで古くから風待ちをする避難港として使用されていました。古くから風待港として栄えたため、そこを訪れる舟人を対象にした観光業で島も栄え、現在でも観光業は島の重要な産業になっています。
島にはたくさんの神輿がぶつかり合う奇祭「渡鹿野天王祭」が毎年7月に行われ、志摩市の無形文化財にも指定されています。島を上空から見るとハートの形をしており、「ハートアイランド」として町おこしも行なっています。
楽しめるアクティビティ
島の東側には「わたかのパールビーチ」と呼ばれる砂浜があり、夏は海水浴を楽しめます。遠浅で波も穏やかなので、ゆったりとした時間を過ごせ、ロッカーやシャワールームも無料で使用できます。
また、島は釣りスポットとしてもおすすめで、リアス式海岸に集まってくる魚をたくさん釣ることも可能。他にも、温泉や海水浴、島内で一番高い場所にあり太平洋を一望できる「わたかの園地」など様々なスポットがあります。
島には2014年にオープンした交流スペース「ギャラリーカモメ」もあり、コーヒーを飲みながら島の歴史や島民と交流もできるでしょう。
島までのアクセス
近鉄鵜方駅から三重交通バス「渡鹿野島渡船場経安乗行き」に乗り約18分、「渡鹿野渡船場」バス停で下車。そこから渡船に乗り約3分で島に到着です。
渡し船で短時間でアクセスでき、利便性の高さが魅力です。
三重の離島・無人島6:日向島(ひなたじま)

島の概要
「日向島(ひなたじま)」は鳥羽市の鳥羽湾にある無人島。鳥羽市市街地から北に約3kmにあり、面積は約0.11平方km、周囲は約2km、上から見ると2つの島がつながったような縦に長い形をしています。
島の北側は標高が高く、展望台もあり湾内の一望することが可能。島は無人島ですが、1959年に志摩マリンレジャーが島全体を観光施設として開発されました。現在は「イルカ島」と呼ばれ、イルカとの触れ合い体験ができることから多くの観光客が訪れます。
楽しめるアクティビティ
島全体がレジャースポットとなっている日向島には、様々な楽しみ方があります。島の北側にある「かもめ劇場」では輪投げやボール遊びなどのアシカショーを見ることが可能。
一方、島の南側にある「イルカ池」ではアクロバティックで迫力満点のイルカショーが開催。イルカにタッチできたりエサやりができたりするなど、イルカと触れ合える貴重な体験ができます。イルカ好きな人にはまさに天国といえるでしょう。
他にも、島の展望台にいける展望リフトに乗るのもおすすめ。キャラクタースタンプラリーや願い事を書いた南京錠をかけると願い事が叶うといわれている「ハートロックベル」など、アクティビティの多い無人島です。
島までのアクセス
近鉄・JR「鳥羽駅」から歩いて約5分の場所にある「鳥羽マリンターミナル」から志摩マリンレジャーの遊覧船に乗り、約15分で到着です。
イルカ島に無料で入園するためにはこの遊覧船に乗らないといけないので注意しましょう。
三重の離島・無人島7:矢取島(やどりじま)
島の概要
「矢取島(やどりじま)」は志摩市浜島町にある無人島です。もともと陸地とは離れていましたが、浜島港の拡張工事の際に突堤が建設され、それにより陸続きとなりました。島は岩でできていますが、島の上部は植物や木々といった緑で覆われています。
矢取島には長い歴史があり、島に伝わる言い伝えも存在します。その内容は、『日本書紀』にも登場する豊玉姫命(とよたまひめのみこと)が夫や子どもへの恋しい想いを矢文に託してこの島へ放ったというもの。
大潮になると島の北東部には浜が現れ、島の周りを一周することもできます。島自体は小さいですが、無人島探検の気分を味わえる島です。
楽しめるアクティビティ
矢取島では、主に釣りを楽しめます。アクティビティが充実しているわけではありませんが、ありのままの自然を満喫しましょう。磯にはカキやカメノテなども生息しています。
キャンプ場などはありませんが、島の頂上には「浜島港灯台」という灯台があります。干潮時に現れる道を登ると灯台にたどり着けるという隠し通路のような行き方は、ワクワクすること間違いなし。この灯台は1955年に初点灯しましたが、現在は廃止されています。
島内を散策すると灯台をはじめおもしろいスポットを見つけられるかも。ぜひ探検してみてください。
島までのアクセス
近鉄志摩線「鵜方駅」から三重交通バスの宿浦行きバスに乗り、「浜島港」で下車しましょう。
そこから徒歩約10分で到着できます。
本土から地続きでつながっているので、アクセスしやすいのが特徴です。
三重県にも個性的な島々がたくさん
三重の離島は、観光地として楽しめる島と手つかずの自然が残る無人島の両方が揃っています。灯台がある無人島やイルカと触れ合える島、陸続きになってしまった元無人島など、三重県にも個性的な島がたくさんあります。
アクセスのしやすさも幅広く、初心者から上級者まで楽しめる点が特徴です。自然と触れ合う体験や非日常の時間を求めるなら、三重の島々は有力な選択肢となるでしょう。
気になる島があったらぜひ訪問してみてください。



