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海を見て人に出会った無人島 (博多basic)

キャンプが好きだ。無人島はもっと好きだ。

だから無人島でキャンプするなら、いつものキャンプよりもっとずっと楽しい!!そんなシンプルな動機で、私はムジプロ(無人島プロジェクト)に参加することにした。

とはいえ、不安がまったくなかったわけじゃない。何より「知り合いが1人もいない」状況での単独参戦に対しては、さすがにちょっとナーバスだった。
事前に参加者同士のLINEグループが作られていたのだが、そこでのやり取りが、なんというかノリがあまりにも若くて「ついていけねぇ…」と思った。きっと陽キャのパリピのウェイばかり来るんだろう、無理ムリこわい、と怯えた。

その上、敬語禁止ルールがしんどかった。「私はゆっくり距離を縮めたいタイプなのに、仲良しぶって価値観押し付けてこないでほしい…タメ口で話したからって仲良くなれるわけじゃないのに…」とうんざりした。まぁルールはルールなんで、頑張って博多弁でしゃべったけど。

私は集団の中にいるより、集団を端から眺めていることの方が多い。人間が好きだけれど、集団の中にいると孤独を感じる。孤独が嫌いってわけじゃないけど。

ポリアモリーであること、LGBTであること、バツイチであること、発達障害者であること、レイプ被害や中絶経験のこと、何も隠さず生きているけれど、「気持ち悪いと思われるだろうな」っていつもほんのり絶望している。だから今回も、無理に皆の輪に入ることはしなかった。それより海が見たかった、潮騒が聞きたかった。

初めてのシュノーケリングは思っていたより遥かにおもしろかった(ダイビングのCカードは持っているけど、意外とシュノーケリングはちゃんとやったことなかった)。ダイビングみたいに深くまで潜らなくても、重い機材を背負わなくても、体一つで気軽に海を感じることができる。テントで眠る時も、目が覚めた時も、ずっと潮騒が聞こえている。

早起きして、ツルで編んだ繭のような海辺のツリーハウスから眺めた日の出は、心に沁みた。とにかくどこにいてもずっと海が見えて、潮騒が聞こえる。こんなに海を感じられる生活は日常にない。自分がどれだけ海が好きか、改めて実感した。

誰とも仲良くなれなくても、海があればそれでいいと思っていた。でも、自分をさらけ出したまま海を眺めてぼんやりしていたら、向こうから話しかけてきてくれた人が何人もいて、私に興味をもってくれたことにすごく驚いたしうれしかった。

2人きりで深い話ができた人達もいた。数年かけてゆっくりと、もっと仲良くなっていきたい人たちにも出会えた。敬語禁止ルールにも最初はムカついたけど、結果的に自分より年下の人たちが私にタメ口で話すきっかけとしては良かったかもしれない。なんか「私のこと分かろうとしてくれる人もいるんだな」って、ちょっと希望を感じたりした。

特に、アーボリスト(空師)をやっている仲間と出会ったのは大きかった。彼の軽やかな木登りや、ブランコやイカダを作る鮮やかな手並みに感激した。小さい頃から木登りが好きで、木を相手に仕事をする林業や造園業に憧れがあったのだ。

群馬に帰ってきて、私も林業研修を受けることにした。アーボリストを目指そうと思う。無人島プロジェクトには、そういう人生の新しいページを開くような出会いがあることを知った。

だから、もっといろんな無人島に行きたい。いろんな人と出会って、ゆっくりと繋がりたい。次はきっと姫路のムジプロに参加すると思う。ブッシュクラフトを覚えて、無人島でもっとサバイバルな生活をしてみたい。

無人島で私が読んでいた本は、遠藤周作『死について考える』。30歳を超えた頃から、「次の世代に何を遺して死ねるか」っていうことをずっと考えている。10歳とか年が離れた若い人たちを見ていると、「この人たちが幸せに生きられる社会、差別や暴力や偏見のない社会を作ってから死にたい」と思う。

そういう気持ちがまたちょっと積み上がった3日間だったかも。みんなありがとう。

Written by きのコ

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