北海道の島といえば、手つかずの自然や壮大な景観を思い浮かべる人も多いでしょう。本土とは異なる環境が広がり、野生動物や独自の生態系が息づく場所も少なくありません。
中には国の天然記念物や保護区域に指定されている島もあり、まさに“自然の宝庫”といえるエリアです。
この記事では、無人島に興味がある方や自然を満喫したい人に向けて、北海道で訪れる価値のある島を厳選して紹介します。日本最大の無人島も紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください!
北海道の無人島・離島1:奥尻島(おくしりとう)

島の概要
奥尻島は北海道南西部、日本海に浮かぶ有人離島で、豊かな自然と漁業文化が根付いた地域です。1993年の北海道南西沖地震による津波被害で島内の死者・行方不明者198人を出す大きな被害を受けましたが、その後の復興により防災意識の高い島として知られています。
フェリーで港に近づくと、左手に見えてくる奥尻島のシンボルが「なべつる岩」。高さ19.5mで頂上にちょこんと緑の防止を乗せたようなドーナツ状の不思議な岩が鍋の釣(つる)のように見えるため、この名がつけられました。
気候は対馬暖流の影響で四季の寒暖差は少なく、北海道の中では比較的温暖で自然環境との調和が保たれています。
楽しめるアクティビティ
奥尻島では、海と山の両方を活かしたアクティビティが楽しめます。透明度の高い海では釣りやダイビングが人気で、季節によっては多様な魚種を狙うことができるでしょう。
南西部には、抜群の眺望が楽しめる「北追岬公園キャンプ場」があります。トイレと水場だけという最低限の設備しかないため、キャンプ上級者向けのキャンプ場といえるでしょう。近くに町営の神威脇温泉保養所があるため、キャンプ後にはさっぱりとして帰ることができます。
釣りを楽しみたい方は、目の前に海が広がる「賽の河原公園キャンプ場」がおすすめ。奥尻島のランドマークは、東京スカイツリーより少し低い標高584mの神威山ですが、自衛隊のレーダーがあるので残念ながら山頂に立つことは難しい状況です。
島までのアクセス
奥尻島へのアクセスは主に2通りの方法があり、まずは北海道本土の江差港からフェリーを利用する方法があります。島までの所要時間は約2時間程度。次に、函館空港から飛行機で向かう方法もあります。
フェリーは所要時間が長めですが、景色を楽しみながら移動できる点が魅力です。一方、航空便は短時間で到着できるため、時間を有効に使いたい人に向いています。
いずれの場合も天候の影響を受けやすいため、事前に運航状況を確認しておくことが重要です。
北海道の無人島・離島2:礼文島(れぶんとう)

島の概要
礼文島は日本最北の有人島として知られ、高山植物が平地で見られる希少な環境を持つことで有名です。本州では標高2,000m級以上でしか見られない300種を超える高山植物が自生する「花の浮島」としても知られ、特に夏になると多くの登山者や観光客が訪れます。
島全体は緩やかな丘陵地帯で構成されており、海岸線と花畑が織りなす景観は他では見られない美しさが魅力。最北端のストコン岬からは、ロシアのサハリン島も見えるほどロシアに近い場所となります。
なぜこれほどの自然があるかというと、雪や寒さのために晩秋から初春にかけて、礼文島を訪れる観光客がほとんどいなくなるから。礼文島では自然をじっくり半年間休ませているのです。
楽しめるアクティビティ
礼文島の最大の魅力はトレッキングです。整備されたコースを歩きながら、高山植物や海の景色を同時に楽しみましょう。ストコン岬から浜中まで4時間ほどのトレッキングコースが設定されているので、植物図鑑を片手に持っていけば貴重な植物を確認しながら歩くこともできるでしょう。
また、写真撮影スポットとしても人気が高く、季節ごとに異なる風景が広がります。比較的初心者でも挑戦しやすいコースが多く、自然を身近に感じられる点が特徴。
北西部には「澄海岬(すかいみさき)」を起点としたトレッキングを楽しむことができます。澄海岬はロケ地になるほどの景勝地。断崖絶壁と「いろいろな色の緑」の海を堪能できます。他にも、桃岩歩道を歩いてお花畑を眺めるのもおすすめです。
島までのアクセス
礼文島までは、稚内港や利尻島からフェリーで約2時間ほどで到着します。飛行機で羽田空港→新千歳空港→利尻空港と乗り継ぎ、利尻島から船で礼文島に渡ることができます。
定期船があるので定期的にアクセス可能です。天候による欠航もあるため、事前確認が欠かせません。
北海道の無人島・離島3:利尻島(りしりとう)

島の概要
利尻島は円錐形の美しい山「利尻山」を中心とした島で、その姿から「利尻富士」とも呼ばれています。島全体が自然公園に指定されており、手つかずの自然環境が残されているのが魅力。海と山が一体となった景観は非常に印象的で、北海道を代表する自然スポットのひとつです。
利尻島は礼文島から約10kmくらいしか離れていません。日本百名山のひとつ、名峰「利尻岳」に登るなら利尻島へ、「最果て」で平地をのんびり歩き回りたいのなら礼文島がおすすめです。
「利尻岳」は百名山のひとつですが、北のはずれにあって海を渡る必要があります。百名山のなかでは登頂しにくい山なので、上級者向けの山といえるでしょう。
楽しめるアクティビティ
利尻島は登山やハイキングが人気で、経験者向けの本格的なコースも用意されています。海では釣りや観光クルーズも楽しむことができ、自然を全身で感じたい人に適した島です。
また、島内には「ファミリーキャンプ場ゆ~に」「利尻北麓野営場」「沓形岬公園キャンプ場」の3つのキャンプ場があります。バーベキューをしたり自然を感じたりして、広大な北海道の大地でキャンプを満喫しましょう。
島までのアクセス
リッチな旅をしたい方は、全国の主要空港→新千歳空港→50分→利尻空港という空路がおすすめです。
北海道のまっすぐと広い道路を自動車で満喫したい方は稚内まで北上するのも楽しいでしょう。稚内からはフェリーで約2時間ほど海を渡れば、利尻島に入ることができます。
北海道の無人島・離島4:天売島(てうりとう)

島の概要
バードウォッチャーの聖地といわれている「天売島(てうりとう)」は、野鳥の宝庫です。ウミガラスなど希少な鳥類が生息しており、自然保護の観点からも重要な地域とされています。島全体には静かな雰囲気が漂い、自然観察にはぴったりな環境。
天売島の住所は北海道羽幌町(はぼろちょう)字天売です。面積は約6平方kmほどで、約300名ほどの島民が暮らしています。野鳥観察にぴったりなため、著名な自然カメラマンも在住しているようです。
天売島が野鳥の楽園になっているのは、海岸線に断崖絶壁が続いているから。こういった環境のため、野鳥たちは天敵に襲われることなく子育てができるのです。
楽しめるアクティビティ
天売島でのアクティビティでは、バードウォッチングが最大の魅力です。双眼鏡を持って観察すれば、多くの海鳥の生態を見られるでしょう。クルージングも人気です。
天売島では民宿に泊まって露天風呂でゆったりすることもできます。食堂で出てくるウニ丼のウニの量は想像の倍ほどある大ボリューム。海の幸を思う存分満喫できるでしょう。
漁港で釣りも楽しめます。北の海で釣れる魚は絶品なので、バーベキューがより豪華になるはず。
島までのアクセス
天売島までは、羽幌港発のフェリーで約1時間ほど。
フェリーで天売島へ向かう途中で、焼尻島にも停泊します。
北海道の無人島・離島5:焼尻島(やぎしりとう)

島の概要
焼尻島は、天売島の近くに位置する島で、原生林が広がる自然豊かな環境が特徴。「焼尻の自然林」は国の天然記念物に指定されています。焼尻島は先ほど紹介した天売島から数kmしか離れておらず、落ち着いた雰囲気が魅力です。
島の3分の1は森となっていますが、森を抜けると広大な牧草地が広がっています。牧草地にはウールが採れる綿羊(めんよう)という羊が多く飼われておりますが、焼尻の綿羊は食用としても有名です。
食用として人気の綿羊は自然交配のみのサフォーク種で、フランス料理の高級食材のひとつ。8月に「焼尻めん羊まつり」が開催され、そこで海産物とともに綿羊肉がバーベキューで振る舞われます。
楽しめるアクティビティ
焼尻島でもバードウォッチを楽しめますが、一番のおすすめは植物観察です。木々がつくる「緑のトンネル」は幻想的な風景なので、撮影にもおすすめ。
また、「オンコの荘(しょう)」という珍しい樹木も生えているので、ぜひ観察してみてください。通常は高さ約15mほどの大木に成長しますが、焼尻島のオンコの高さは約1mほど。その代わり枝が地面を這うように広がり、幅が約10m以上になることもあります。これは雪の重みと日本海の強風に耐えることができる形となっているのです。
島までのアクセス
焼尻島までは羽幌港からフェリーで約1時間ほど。
同じフェリーで天売島まで行くことも可能なので、時間があれば島をはしごするのも良いでしょう。
北海道の無人島・離島6:嶮暮帰島(けんぼっきとう)
島の概要
北海道浜中町にある「嶮暮帰島(けんぼっきとう)」は、荒涼としながらも静謐な雰囲気が漂うことから「日本のスコットランド」とも呼ばれています。琵琶瀬湾にポツンと浮かんでおり、周囲約5kmと小規模な無人島です。また、『ルパン三世』の原作者、モンキーパンチさんの故郷でもあります。
嶮暮帰島は動物王国のムツゴロウこと畑正憲氏がヒグマを飼うために一時期住んでいたことで知られていますが、いまは自然保護の観点から島に立ち入ることが制限されています。島に上陸するには地元のガイドの案内が必要です。
というのも、絶滅危惧種に指定されている野鳥のエトピリカや、世界最小の哺乳類といわれているトウキョウトガリネズミが生息しているから。嶮暮帰島は、原生の環境が残る貴重な場所です。
楽しめるアクティビティ
4月〜10月の観光シーズンには、船で島へ向かい島内の自然を見て回るネイチャーガイド付きのツアーがあります。嶮暮帰島の最大の魅力は昔から変わらず残る美しい自然なので、島内を巡りながら野鳥や植物の美しさを感じられるでしょう。
ツアー以外では基本的に上陸できないので、それ以外では遠くから島を眺めて観察をするのがおすすめです。
島までのアクセス
嶮暮帰島までは、浜中町の漁港からツアーがチャーターした船で約5分ほどで到着します。
ツアーに参加すれば自分でチャーター便を手配する手間も省けるので、嶮暮帰島に行ってみたい場合はツアー参加はほぼ必須といっても
北海道の無人島・離島7:かもめ島
島の概要
かもめ島は、北海道江差町の海岸線に「T字」に突き出た周囲3kmほどの小島。島ですが、細く長い防波堤でかろうじて江差町につながっているので、陸続きで渡れます。
上空から見ると羽を広げたかもめのような形をしていることから「かもめ島」と呼ばれるようになりました。江戸時代にはすでに文献に名前が載っていたという古い歴史を持ち、島内には弁天社・恵比寿社があることから、かつては「弁天島」や「カムイシリ(神島)」とも呼ばれていたようです。
楽しめるアクティビティ
かもめ島のメインアクティビティは海水浴・釣り・キャンプなど。江差町から気軽に行けるため、夏を中心にかもめ島を訪れる人たちで賑わいます。
散策もおすすめで、瓶子(へいし)岩や展望灯台、「幸せになる鐘」などを巡るのも良いでしょう。「日本夕陽百選」にも選ばれているので、高台に登って美しい夕陽を見るといったロマンチックなデートにもぴったりです。
島までのアクセス
江差町から向かう際、自動車でかもめ島の付け根までアクセス可能です。
そこから先は徒歩で向かい、約500mほど歩けば島内に到着します。
北海道の無人島・離島8:小島(こじま)
島の概要
北海道南東部、厚岸町にある「小島」は周囲約1kmという文字通りの小島です。アイヌ語で小さい島・子の島という意味の「ポンモシリ」が島の名前の由来となっており、昭和30年には自然保護を目的に制定された「厚岸道立自然公園」に指定されました。
公園内の自然を守るため、動植物の持ち出しやエリア外への立ち入りなどは禁止されています。
北海道厚岸町はカキの養殖と昆布漁で有名な街。小島の周辺には昆布漁場が多く存在しており、島は漁師たちが昆布漁に活用しています。
楽しめるアクティビティ
小島は昆布漁師たちの仕事場という側面が強いため、アクティビティはありません。
本土のピリカウタ海岸から眺める小島やその周囲に浮かぶ大黒島は絶景なので、島内で過ごすというよりは外から眺めるのがおすすめです。
島までのアクセス
定期船はなく、基本的には小島へ行く手段はありません。「どうしても小島に行きたい」という場合、厚岸町の昆布漁師の方に依頼して船に乗せてもらうことになります。
本土から向かう場合、船で約10分以内には到着できるでしょう。
北海道の無人島・離島9:渡島大島(おしまおおしま)

島の概要
「渡島大島(おしまおおしま)」は、松前町の西側約50km先の日本海に浮かぶ日本最大の無人島です。周囲約16kmと広大な面積となっており、島全体は上空から見ると楕円形の形をしています。
人の定住はなく、自然の力を感じられる場所です。昭和3年には、オオミズナギドリの北海道唯一の繁殖地として天然記念物にも指定されました。
火山活動によって生まれた渡島大島は活火山の島で、ダイナミックな地形が特徴。1741年(寛保元年)には渡島大島で噴火が起き、「寛保津波」と呼ばれる大津波を引き起こして約1,500人から2,000人以上が犠牲となる歴史的な災害となりました。
楽しめるアクティビティ
基本的に上陸は許可されておらず、島へ渡るには文化庁などの許可が必要となります。
そのため、楽しめるアクティビティはあまりなく、行うとしたら船上からの観察が中心です。日本最大の無人島であり活火山の島なので、迫力ある景観を楽しめるでしょう。
島までのアクセス
定期便はなく、上陸も特別な許可が必要なため基本的にはアクセスすることは難しいでしょう。
実際に行く場合、松前町の江良港から出航してチャーター船で約150分かけて向かうことになります。
北海道の島は大自然を感じられる島ばかり
北海道といえば雪国で離島のイメージは少ないかもしれません。しかし、北海道の無人島・離島は他の地域と比べてもスケールの大きな自然が魅力です。アクセスが難しい島も多い一方で、その分だけ手つかずの環境が残されています。
観光地として整備された島もあれば、立ち入りが制限されるほど貴重な自然を守る島も存在します。目的に応じて選べば、初心者でも安心して楽しめるでしょう。
日常から離れて大自然の中で過ごす時間は、きっと特別な体験になるはずです。



