日本を代表する古都、京都。世界遺産に登録されている数々の文化財に恵まれ、観光名所など見どころもいっぱいです。
そんな京都に「島」ってあるの?と疑問に思う人も多いでしょう。
豊かな歴史や文化に触れるとともに、自然も満喫できるという京都の意外な穴場である離島・無人島を紹介します。
京都の無人島・離島1:青島
青島が所在する伊根町は、京都北部の丹後半島に位置する町です。漁業や農業が盛んで、海と台地に育まれた豊富な食材や自然と共生する暮らしが色濃く残る地域。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された「伊根の舟屋」が有名です。
青島の概要
伊根町に面する伊根湾に浮かぶ無人島である青島は、島全体が常緑樹で覆われ蒼黒く見えることから「青島」と呼ばれるようになったという説が。島内には海を守護する蛭子神が祀られるなど、神が宿る神聖な島とされ、樹木の伐採や生物の採集はもちろん、枯れ枝一本も島から持ち出してはならないという言い伝えもあります。基本的に上陸は禁止されています。
青島で楽しめるアクティビティ
青島島内でのアクティビティはできませんが、半島側では重要伝統的建造物群保存地区に選定されている舟屋の見学や現役漁師のガイドによる游漁船での魚釣り、遊覧船による伊根湾めぐり、伊根湾水中ドローン体験、サイクリングなどが楽しめます。
また、日本海側に面した伊根の外海は丹後半島から続くリアス式海岸となっており、洞窟や岩礁などによる複雑な地形がアウトドア魂をくすぐることでしょう。例えば、小型船が入れる程度の「巌門」という洞窟は通称、伊根版「青の洞窟」と呼ばれシーカヤックの隠れた名所です。ダイナミックに浸食した洞窟の中に青い海水が広がる神秘的な雰囲気が魅力。泊海水浴場からシーカヤックで地元ガイドとともにアクセス可能です。
(参考:一般社団法人 京都府北部地域連携都市圏振興社)
青島は釣り客のマナーの悪さから島への上陸が全面禁止となっています。
渡る際には亀島区惣代の許可が必要です。
青島までのアクセス
京都丹後鉄道(JR京都駅、大阪駅から直通あり)「天橋立駅」または「宮津駅」で下車し、路線バス(丹後海陸交通)に乗り換えて約1時間。「経ヶ岬」、「蒲入」、「伊根郵便局前」のいずれかのバス停で下車します。
京都の無人島・離島2:磯葛島・沖葛島(いそかづらとう・おきかづらとう)
磯葛島・沖葛島の概要
舞鶴市の東側に位置する大浦半島を北上し、三浜峠を越えるとアンジャ島、磯葛島(いそかづらとう)、沖葛島(おきかづらとう)の3島が並ぶ三浜の海岸へと行き着きます。アンジャ島だけは陸続きで、1km程沖に浮かぶ磯葛島と沖葛島が、さらに遠方には冠島と沓島が海に点在する様子は趣のある景色として評判です。
磯葛島・沖葛島で楽しめるアクティビティ
沖釣りや船釣り、スキューバダイビング、シュノーケリングのメッカとして知られています。
磯葛島・沖葛島までのアクセス
三浜海水浴場と小橋海水浴場の2つの浜で構成される竜宮浜海水浴場への道のりは、JR西日本舞鶴線東舞鶴駅からバスで約35分。
京都の無人島・離島3:馬立島(うまたてじま)
馬立島の概要
京都府舞鶴市の大浦半島の水ヶ浦は福井県との県境にある小さな漁港で、そこから1㎞ほどの沖合に浮かぶ島が「馬立島(うまたてじま)」です。
馬立島で楽しめるアクティビティ
馬立島の海岸は崖が迫る岩場となっており上陸には適していないようですが、磯釣りが好きな人にとっては魅力的な場所のようです。また、島の西側に大きな洞窟があり、カヤックで探検に訪れる人も多いとか。ただし、田井周辺はブリ漁が盛んなところで、馬立島の周りにも大型定置網が仕掛けてあるので注意が必要です。
馬立島までのアクセス
舞鶴から府道21号、府道561を経て田井水ケ浦(約20km、車で約1時間)。
京都の無人島・離島4:蛇島・烏島(じゃじま・からすじま)
蛇島・烏島の概要
舞鶴市・大浦半島の西側を湾沿いに行くと佐波賀へ着きます。入り江にカキの筏、そして沖には美しい2つの島「蛇島(じゃじま)」と「烏島(からすじま)」が浮かんでいるのが目に留まるでしょう。烏島の祭神は市杵嶌姫命(イチキシマヒメノミコト)で海の守護神。毎年7月、2回目の「己」のつく日が祭日となっており、佐波賀の村人が舟で島へ渡り、海の安全を祈願するのが習わしとなっています。
蛇島は揮発性の高いガソリンを保管するのにピッタリということで、昔は海軍のガソリン庫として使用されていました。海軍に関係するものはあるものの、当時のままというのは他にないそうです。
蛇島・烏島で楽しめるアクティビティ
基本的に上陸は禁止されています。
蛇島・烏島までのアクセス
蛇島・烏島の近くまで行くことはできませんが、遊覧船で見ることはできます。
舞鶴市役所前の遊覧船乗り場から
大人:1500円 3~12歳:800円 2歳以下:無料で乗ることができます。
京都の無人島・離島5:冠島(かんむりじま)
冠島の概要
「冠島(かんむりじま)」は大島、雄島、常世島、竜宮島など、複数の別名を持つ島で、舞鶴市成生岬の北北西方、約10キロメートル沖の日本海浮かんでいます。「オオミズナギドリ最後の楽園」と称され、オオミズナギドリ繁殖地として島全体が国の天然記念物に指定されているとともに、京都府指定冠島沓島鳥獣保護区(集団繁殖地)にもなっています。
冠島で楽しめるアクティビティ
保護指定区域のため、基本的に島への立ち入りは禁止。ただし、年に数回、調査のための立ち入りが許可されたり、毎年「雄島まいり」と称する地元住民のお参りが行われています。
冠島周辺ではダイビングができ、約10のダイビングポイントがあります。
冠島周辺は透明度が基本的に高いことが多く、魚群がよく見られるそうです。
冠島までのアクセス
冠島への上陸は天然記念物保護のためできません。
遊覧船:休止中 (2023年11月現在)
ダイビングの場合、出港場所はダイビング会社によりさまざま。
ある会社では土日:17,000円~、その他:16,000円からできるそうです。
京都の無人島・離島6:沓島(くつじま)
沓島の概要
「沓島(くつじま)」は別名、雌島または小島、鬼門島。前述の冠島の北北東方、約2.5km沖合いにある若狭湾に浮かぶ無人島で、冠島とともに京都府指定冠島沓島鳥獣保護区(集団繁殖地)に指定されています。
沓島で楽しめるアクティビティ
海鳥の繁殖保護のため原則として上陸が禁止されています。
沓島までのアクセス
舞鶴港からチャーター船で約50分。
京都の無人島・離島7:毛島(けしま)
毛島の概要
京都府舞鶴市の成生岬から東方沖約1キロメートルの日本海上にある京都府最大の離島で、周囲約4㎞、標高187.0m。かつては有人島でしたが、現在は無人島となっています。島の頂上から中腹にかけてコナラやスダジイ、黒松などが群生しており、遠方からは動物の毛が生えているような印象があり「毛島」と呼ばれるようになったそうです。
毛島で楽しめるアクティビティ
毛島周辺は昔からブリの好漁場として知られており、釣り好きな人からもフィッシングスポットとして人気があります。ただし、毛島の周囲には大型定置網が設置され、ブリやイワシ等が水揚げされているため注意が必要です。
毛島までのアクセス
田井漁港から釣船でアクセス可能。
京都無人島・離島8:年取島(としとりじま)
京都府舞鶴市にある舞鶴湾西、吉田エリア南東の岬から約50mほどに位置する無人島。周囲約200m、標高は約18.2mという小さな島です。
年取島の概要
田辺城主で歌人でもあった幽斎は京都の公卿であった通勝とともに、大晦日、夜が更けるのも忘れ、島内にて歌に興じていたところ、除夜の鐘が鳴り、年が明けて新年を迎えたそう。そこで幽斎は、この島を「年取島」と命名したという言い伝えがあります。
年取島で楽しめるアクティビティ
山頂には弁財天が祀られ、海の安全を祈る重要な島であったと言われています。毎年7月の第一土曜日には祈願祭が行われるなど、地元では「弁天島」とも呼ばれる所以です。また、この湾ではカキや真珠の養殖が行われているため、各種アクティビティには向いていなさそうです。
年取島までのアクセス
舞鶴市役所前から吉田への道のりは、国道27号→国道175号→府道601号(車で約2時間30分)。島へは船をチャーターする必要があります。
京都の無人島・離島9:戸島
タブノキやスダジイに覆われた小山のような形をした無人島で、タヌキが棲息していることから「ポンポコ島」という愛称で呼ばれています。
戸島の概要
舞鶴湾内に位置する戸島は舞鶴湾の中央にあり、湾内で最も大きい島。戦時中に国が買収し海軍施設となっていましたが、戦後は市民による農地利用を経て京都府が購入。青少年の野外活動の場として活用されました。
戸島で楽しめるアクティビティ
京都府がキャンプ場等を整備し「青少年の島・戸島」として開島。夏期(7月~8月)の間、電気やガス等のない野外活動の場として利用されていましたが、タヌキのほか、イノシシやアライグマなどが住みつくようになったほか、施設や井戸水の衛生が悪化したことに加え財政難が追い打ちを掛け、2008年(平成20年)シーズンから一時休島されています。
戸島までのアクセス
島は上陸禁止となっており、船をチャーターするしか渡航する方法はありません。
京都の無人島・離島10:バーベキューガーデン無人島
陸続きの場所にあるため実際は「島」ではありませんが、舟でしかアクセスできない場所にあるため「無人島」とされています。また、地元の豊かな食材を使ったバーベキューが名物となっていることから、「バーベキューガーデン無人島」と名づけられています。
(参考:バーベキューガーデン無人島)
バーベキューガーデン無人島の概要
京都北部に位置する丹後半島の久美浜湾にある大明神岬周辺は、緑の森と水が豊かなエリアで景観も美しい場所ですが、陸路が無く一般の人はアクセス不可能。そんな大明神岬の深い森の中に、「島長」自ら長い年月をかけて開拓したのがこの「無人島」です。
無人で何もなかった場所に電気を通し、水道を造り、船着き場から貸しロッジ、バーベキュースペース、檜風呂や露天風呂、プライベートビーチまで整備。当初は島長の理想空間を実現するためのプライベートガーデンでしたが、現在は一般の人も楽しめる無人島として訪問者を受け入れています。また、宿泊も可能でグループや家族で泊まれる貸しロッジもあります。ペット同伴可。さらに、平日は19万円(税抜)で無人島が貸し切り可能となっています。
バーベキューガーデン無人島で楽しめるアクティビティ
遊びの達人である島長が作り上げたこの無人島では、プライベートビーチでの海水浴や日光浴、魚釣り、バーベキューなどのアクティビティが楽しめる他、静かな夜には満天の星を望むこともできます。
バーベキューガーデン無人島までのアクセス
京都丹後鉄道久美浜駅より約徒歩10分。久美浜公園で専用の送迎船で約5分弱。
意外と京都には無人島がたくさんある
以上、京都の離島・無人島の情報を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
近年、一般の個人が小型ボートや海上タクシーを利用して許可なく無人島に上陸し、釣りをしたり、テントを張ってキャンプをしたり、サザエやアワビを捕ったり、ごみも放置するというようなマナーの悪い行為をするという問題が起こり、前述の青島では無断上陸を禁止する看板が建てられたといいます。
京都の無人島は基本的に上陸禁止が多いため、各島へのアクセスを行いたい場合は関連する自治体に問い合わせをする、または、バーベキューガーデン無人島などのような、程よく整備された施設で無人島の雰囲気を楽しむのが最適でしょう。
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