「無人島」と聞くと、青い海や白い砂浜、自由な冒険を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし世界には、人が住まないのではなく「住めない」無人島が存在します。
その理由は、過酷な気候でも、インフラの未整備でもありません。
島を完全に支配しているのが、危険あるいは圧倒的な数を誇る動物たちだからです。
この記事では、人間が立ち入ること自体が制限されている島や危険な島を中心に、動物が支配する無人島を紹介します。
1. 世界一危険な蛇の島|ケイマーダ・グランデ島(ブラジル)

ケイマーダ・グランデ島は、ブラジル沖約30kmに位置する小さな無人島です。
この島が「世界で最も危険な無人島」と呼ばれる理由は、島全体が毒蛇に支配されているから。
島には「ゴールデンランスヘッド」と呼ばれる猛毒のクサリヘビが生息しており、その密度は1平方メートルあたり数匹とも言われています。毒性は極めて強く、噛まれると短時間で致命傷になる可能性があります。
人口より蛇の数が圧倒的に多くて医療対応が困難などの理由により、ブラジル政府は一般人の上陸を法律で禁止するまでに至りました。現在では、特別な許可を得た研究者や軍関係者のみ立ち入ることが可能です。
観光目的での訪問は不可能で、「見ることすら危険な無人島」の代表例といえるでしょう。
2. 人よりペンギンが多い無人島|マッコーリー島(オーストラリア)

マッコーリー島は南極圏に近い場所に位置する無人島で、タスマニア島から南東に約1500km離れている絶海の孤島。地球のマントルが露呈している点などが地質学的に貴重といわれており、ユネスコ世界自然遺産にも登録されています。
ここでは一般人の上陸は許可されておらず、研究者や保全要員が期間限定で滞在するのみ。島の主役は完全に野生動物で、ほぼ無人島の状態です。
マッコーリー島はペンギンやアザラシなどの繁殖地となっていて、ここでしか見ることができない固有種のロイヤルペンギンも生息しています。タスマニア島からのクルーズツアーで野生動物たちを観察できるので、興味がある方はぜひ行ってみてください。
3. 楽園に潜むリスク|エグズーマ諸島(バハマ)

エグズーマ諸島はカリブ海に浮かぶ美しい島々で、「泳ぐ豚」が暮らすことで世界的に知られています。SNSや観光メディアでもよく取り上げられ、楽園のようなイメージを持つ方も多いでしょう。
実際、観光ツアーで訪れる分には比較的安全ですが、個人で無計画に上陸するのは危険です。
野生化した豚は基本的に温厚ですが、エサを巡って攻撃的になったり噛みつかれたりといった事態が起こりかねません。さらに、噛まれたことによる病原菌への感染など、衛生リスクの心配もあります。
「可愛い動物=安全」という認識は安易に持たないようにしましょう。
4. ウサギが支配する異色の無人島|大久野島(広島県)

大久野島は「うさぎの島」として国内外から人気があり、現在は数百羽以上の野生化したウサギが生息中。実際にウサギと触れ合うことも可能で、ウサギのおやつも販売されています。島では従業員が働いており、宿泊施設やインフラが整っていますが、行政管理上は無人島です。
大久野島は太平洋戦争時、旧日本軍により極秘に毒ガス兵器が製造され、機密扱いのため地図からも抹消された歴史を持っています。そんな島に野生のウサギが大量に生息している理由にはいくつか説がありますが、近くの小学生が数匹のウサギを大久野島に放した際に天敵の少ない環境で大繁殖したという説が有力です。
「人間が管理しきれない数の動物が主役になった島」という意味では、動物が支配する無人島といえます。猛獣はいませんが、ウサギの噛みつきや感染症リスクなどの危険には十分気をつけましょう。
5. サルが文化を持つ無人島|幸島(宮崎県)

幸島は約100匹の野生猿が棲息しており、ニホンザルの研究で世界的に有名な無人島です。宮崎県南部にある石波海岸の沖合から約200mの距離に位置しており、船で行けばわずか5分ほどで到着できます。
上陸は可能ですが、猿を刺激するような行動は避けて観察するだけに留めましょう。猿を挑発したり長時間目を合わせたりといったことをしなければ、基本的に襲われる心配はありません。
ここではサルが芋を洗う行動を学習して広めたことが確認され、他地域では見られない行動を取ることから「文化を持つサル」と呼ばれています。
幸島については以下の記事でも触れているので、あわせてご覧ください。
宮崎の無人島おすすめ5選!野生のニホンザルを間近で見ることができる島も
動物が支配する無人島が教えてくれること
無人島は「自由の象徴」である一方で、人間が入ることで壊れてしまう世界でもあります。
今回紹介したような動物が支配する無人島では、人間が最上位ではないことや人間がいないことで自然のバランスが取れている世界があることを教えてくれているのかもしれません。
本当に無人島を楽しむためには「行ける島」と「行ってはいけない島」を知ることも大事です。好奇心を持ちつつ、踏み入れてはいけないラインを冷静に判断して安心安全に無人島を楽しみましょう。






