関東(特に東京周辺)には無人島自体がほとんどなく、あっても上陸できないなどの制限が多いです。しかし東京には、少ないながらも上陸できる無人島や日帰り・1泊2日で行ける離島があります。
人工物がほとんどない島や歴史遺構が眠る島など、様々な島が東京から気軽に行ける場所にあるのは驚きですね。
本記事では、東京から行ける無人島・離島を8か所厳選して紹介します。都会のすぐ側にある非日常の世界を、ぜひ覗いてみてください。
東京から行ける無人島・離島1:猿島(さるしま)

島の概要
猿島は神奈川県横須賀市沖に浮かぶ無人島で、東京湾に現存する唯一の自然島です。
かつては旧日本軍の要塞として利用されていた歴史遺構の島で、島内には当時の面影を残す煉瓦造りの兵舎、長いトンネルや砲台跡が残されています。
無人島でありながら観光地として整備され、歴史と自然が共存する独特の雰囲気があるのが特徴。また、島は森林に覆われるほど自然も豊かで、さまざまな生き物が生息しています。

楽しめるアクティビティ
猿島では、多くのアクティビティを楽しめます。猿島周辺は浅瀬になっていることもあり、横須賀市内でも絶好の釣りスポットとして人気です。
また、島の南側は砂浜になっていて、バーベキューをしたり夏には海水浴もできます。バーベキュー用品や釣り用具も現地でレンタルできるので、面倒な準備は必要ありません。
ただし、バーベキューの食材は販売していないので自分たちでの調達が必要です。また、猿島には泊まれないので、宿泊を伴うキャンプは行わないようにしましょう。
島までのアクセス
東京駅から電車で約1時間、京急線横須賀中央駅で下車します。そこから徒歩約15分のところに、猿島とを結ぶ定期船の発着所「三笠桟橋」があります。
三笠桟橋から船に乗り、片道約10分程度で猿島に到着です。船は1時間おきに運行しています。
東京から行ける無人島・離島2:第二海堡(だいにかいほ)

島の概要
第二海堡は、明治から大正期にかけて東京湾防衛のために建設された人工島で、“東の軍艦島”と呼ばれています。当時は各種砲台や水雷・水雷用探照電灯などを備えた世界最大級の海上軍事要塞といわれていました。現在は完全な無人島となっており、老朽化が進んだことで崩落の危険性が高まっているため改修工事が行われています。
そのため、基本的には関係者以外の立ち入りが禁じられています。しかし、2019年の令和への改元と同時に旅行代理店主催のツアーによって一般客の上陸が解禁となりました。
楽しめるアクティビティ
基本的に観光目的での上陸はできませんが、ツアーに参加すれば専門ガイド付きで見学できます。
灯台や防波堤など、第二海堡のおすすめスポットはぜひ足を運んでみてください。また、全長300mを超える巨大船ウォッチングも大迫力で魅力的です。
島までのアクセス
東京湾内に位置していますが、個人での上陸手段はありません。公式ツアーが実施される場合に限り、指定された船で接岸可能です。
東京から行ける無人島・離島3:城ヶ島(じょうがしま)

島の概要
城ヶ島は、神奈川県三浦半島の最南端にある離島で、神奈川県内最大の自然島です。明治3年には、全国初の洋式灯台のひとつ「城ヶ島灯台」が建設されたことでも有名。島には詩人の北原白秋が住んでいたなど、古くから人々に愛されています。
この島の最大の特徴は、自然が生んだ独特の景観です。中でも、波の浸食によって岩がくり抜かれてアーチ状になった海食洞のひとつ「馬の背洞門」は有名なので実際に行く際はチェックしましょう。
神奈川県の指定天然記念物になっている「ウミウ」などの生息地にもなっていたり、日本の地質100選にも選出される地層の宝庫だったりと、貴重な文化財が多い島でもあります。
楽しめるアクティビティ
島の南側にある海岸では、磯遊びやバーベキュー、魚釣り・ダイビングを楽しめます。
「城ヶ島白秋碑苑」のビーチサイドで、城ヶ島大橋を見ながらバーベキューをするのもおすすめです。
バーベキュー用品やバーベキュー用の食材も販売しているので、手ぶらで行けるのも嬉しいポイント。島で採れた新鮮な魚介類を島内のお店で購入し、バーベキューの食材にするのも良いですね。
また、「J’s Fishing 城ケ島海上イケス釣堀」には「海上イケス釣堀」があり、自然環境に近い釣り堀で手軽に釣りもできます。
島までのアクセス
城ヶ島へは、東京駅から電車で約1時間弱、京急線三崎口駅で下車。そこから路線バスに乗車します。
路線バスは三崎口駅の2番のりばから京急バスが「城ヶ島行」を1時間に2~3本運行しています。城ヶ島では「白秋碑前」「城ヶ島漁港前」「城ヶ島」に停車します。所要時間は約30分です。
東京から行ける無人島・離島4:(にいじま)

島の概要
新島は伊豆諸島の中心に位置する島で、北部の宮塚山や南部の向山の2つの火山群がつながって南北に細長いひょうたん型をした地形となっています。ここでしか採れない天然石「コーガ石」は、建築材料からガラス原料などに幅広く利用されている新島の代表的な産物です。
特産品としては「くさや」が有名ですが、近年では地域ブランド化したアメリカ芋や玉ねぎなども人気。
島の名前の由来は島の色が白かったことから「あたらじま」と読んだのが始まりで、後に現在の「新島(にいじま)」に変わりました。
楽しめるアクティビティ
新島で楽しめるアクティビティで最もおすすめなのはサーフィンです。サーフボード・ボディボードなどのレンタルも可能なので、道具がなくても楽しめます。
新島には多数の海岸があり、その中でも羽伏浦海岸は白い砂浜と青い海が約7kmも続く美しさが魅力。世界プロサーフィン連盟の大会に使用されるなど、世界的にも有名なサーフスポットとなっています。
他にも、海水浴やマリンスポーツ、磯遊び、ダイビング、釣りなど、海をメインにしたアクティビティも楽しめるので気になるものを選んで思いっきり遊びましょう。
島までのアクセス
新島までは、東京の竹芝桟橋から東海汽船の大型船で約8時間30分、高速船だと約2時間30分で到着です。静岡県の下田からも神新汽船の大型船が運行しており、約3時間で行けます。
さらに、東京の調布飛行場から新中央航空の飛行機に乗れば、約35分で到着です。
東京から行ける無人島・離島5:八丈島(はちじょうじま)

島の概要
八丈島は伊豆諸島の南部にある島で、本州から南に約287km進んだ場所に位置しています。気候は高温多湿で、年間を通して雨が多く別名は「常春の島」。気候の影響で亜熱帯植物も多く、ハイビスカスやフリージアなどの花が島の自然をより美しく彩っています。
自然的条件を活かした観葉植物の栽培産業も盛んで、中でも「フェニックス・ロベレニー」の生産量は日本一を誇ります。
八丈島の特産品は、くさやと焼酎。島内には温泉施設も多くて入浴料も安いので、温泉目的で訪れる観光客も増えています。
楽しめるアクティビティ
八丈島は岩場の海岸が多く、砂浜の海岸は少ないですが、底土海水浴場は島唯一の砂浜の海水浴場で、シュノーケリングやダイビングも楽しむことができます。
八丈島の海は「八丈ブルー」とも言われ、透明度が高くて多くのダイバーを魅了し続けています。ダイビングを楽しむ際は、島内のダイビングショップに行きましょう。経験豊富なダイバーが八丈島の海を案内してくれます。
また、八丈島は釣りスポットとしても魅力的です。黒潮の恩恵を受け、さまざまな魚が集まってきます。

乗合船・仕立て船・磯釣り・堤防釣りなど、さまざまな種類の釣りができるのも魅力的。釣り初心者から上級者まで楽しめます。もちろん、釣り道具の購入・レンタルも島内で可能です。
さらにおすすめなのがキャンプ。2017年4月に開園した「八丈プラザ公園」では、テントを張ってキャンプができます。屋根のついた炊事場スペースもあるので、天候を気にせずバーベキューできるのも嬉しいですね。
島までのアクセス
羽田空港から飛行機に乗り、約45分で行けます。羽田空港から直行便があるのは嬉しいポイント。
また、東京の竹芝桟橋から出向している東海汽船の「客船さるびあ丸」に乗れば、約10時間前後で到着します。
東京から行ける無人島・離島6:八丈小島

島の概要
八丈小島は八丈島の西側に位置しており、大平山を頂点としたピラミッド型の無人島です。成層火山島となっており、平地が非常に少ないのが特徴。全域が「特別保護地域」に指定されています。
島内には平安末期の武将・源為朝が自害したといわれる「為朝神社」があり、源頼朝が神鏡を奉納したという言い伝えも。このように、さまざまな歴史が語り継がれていて文化財としての価値も高い島です。
無人島ではあるものの、かつては人が暮らしていた歴史があります。現在は無人化が進み、定期航路もない状況。安全面と自然保護の観点から、一般人の上陸は認められていません。
楽しめるアクティビティ
島への立ち入りはできませんが、八丈島から遠くを眺めると島の存在を確認できます。
上陸できないので、眺めて楽しみましょう。確認できる地形は荒々しく、無人島らしさを感じさせます。
島までのアクセス
八丈島周辺から視認可能ですが、上陸はできません。
観光船などによる接近も限定的で、近寄るのはかなり難しいと考えたほうが良いでしょう。
東京から行ける無人島・離島7:南島

島の概要
南島は小笠原諸島・父島の南端付近にある無人島で、5,000万〜2,000万年前に由来する隆起珊瑚礁からなる国内屈指の沈水カルスト地形がみられ、都の天然記念物に指定されている貴重な土地です。希少な生態系を守るため厳格に保護・管理されています。
沿岸や内陸部には扇池・鮫池・陰陽池があり、島は南北に細長い形状です。扇池の砂浜には、2,000年〜1,000年前に絶滅した陸産貝ヒロベソカタマイマイの半化石が見つかるなど、研究対象としても非常に価値のある島となっています。
楽しめるアクティビティ
環境破壊対策などの理由で基本的には上陸自体難しいのですが、ガイドの同行・案内がある場合のみ上陸が可能です。人数制限などのルールもあるので、事前に確認して条件を満たせるかどうか確認しましょう。
また、動植物の採取は禁止されています。上陸する際は絶対に持ち帰らないようにしましょう。珍しい植物などが生態系を築いているので、自然を観察すること自体が貴重な体験となります。
島までのアクセス
父島から船で接近しますが、上陸には事前申請と人数制限があります。上陸したい場合は、事前申請などを忘れないようにしましょう。
なお、自由行動はできないのであらかじめご了承ください。
東京から行ける無人島・離島8:父島(ちちじま)

島の概要
父島は小笠原諸島にあり、東京からは約1000km離れた距離にある島です。小笠原諸島は聟島(むこじま)列島、父島列島、母島列島、火山列島(硫黄列島)の4つで構成されていて、父島はその中でも最も人口が多く、小笠原諸島の中心的な役割です。
気候は亜熱帯気候で、一年の平均気温は23度と年間を通して暖かく過ごしやすいのが特徴。大陸から遠く離れた場所にあるため、島の動植物は独自の生態系を保っています。
また、美しい海ではイルカ・クジラ・ウミガメも観測できます。島の基幹産業は観光業で、「おがさわら丸」が父島を離れるときの島民の方々による盛大な見送りは感動的です。
楽しめるアクティビティ
父島では、山でも海でもアクティビティを楽しめます。
海では、近海の海に住むイルカと一緒に泳げるドルフィンスイムをはじめ、マッコウクジラとザトウクジラのウォッチング、スキューバダイビングなど数多くのアクティビティがあります。多くのアクティビティの中から興味のあるものを選びましょう。
一方、山では独自の生態系を保つ動植物を見られるツアーが人気。夜には、緑に光るキノコ「グリーンペペ」や夜行性の生き物に出会えるナイトツアーなど、父島ならではのツアーを体験できます。
なお、父島でのキャンプは禁止されているので、必ず宿泊施設を利用しましょう。
島までのアクセス
父島には空港がないため、島を訪れる唯一の手段は船です。定期船「おがさわら丸」で24時間かけて向かいましょう。定期船は、東京の竹芝桟橋から父島二見港まで就航しています。
おがさわら丸はほぼ一週間に一便の運航となっているので乗船時は事前にスケジュールを確認しておきましょう。ピークシーズンには3、4日に一度のペースで運航されます。
東京から一日かかるなんて遠いと感じる方もいるかもしれませんが、東京からわずか一日でこんなに美しい島に行けるのはとても素晴らしいことですよね。
東京の近場にも素晴らしい島がある
無人島や離島は、遠くへ行かなければ出会えない存在ではありません。
東京という巨大都市のすぐ外側には、歴史を秘めた島や人が立ち入れない自然島、無人島に限りなく近い離島が連なっています。
大切なのは「行けるかどうか」だけでなく「どう向き合うか」という視点です。
好奇心を満たしながら、ルールを守り、自然に敬意を払うことが島旅を楽しむ第一歩。
都会の喧騒に疲れたとき、地図を少しだけ外にずらしてみてください。
そこには、想像以上に奥深い島の世界が広がっています。



